「起業にチャレンジしてみたいが不安でできそうにない」という人はどうすればよいのか。強み発掘コンサルタントの土谷愛さんは「自分の中の『不安』や『恐怖』と向き合い、『うまくいかなかったとき』のシミュレーションを書き出してみるとよい」という――。

※本稿は、土谷愛『適職はどこにある? 夢なしOLの「転職・休職・副業・起業」実践ストーリー』(大和出版)の一部を再編集したものです。

副業の方が自分に合っている

平日の昼は会社で企画の仕事。夜や休日には副業で節約ブログを書く。

そんな二足のわらじ生活を続ける中で、しだいに「後者のほうが自分にはより合ってるのかもな」と感じるようになりました。

その理由は「人間関係」と「働き方」にあります。

最初に思ったのはやっぱり「人間関係」。

当時のわたしは転職先の人間関係に悩んでいました。

同じプロジェクトに割り当てられている以上、どうしても苦手な人とも、毎日関わっていかなければいけない。そのことで、本来の企画業務よりも「苦手なあの人の対応をどうするか」に自分の心や時間が割かれることにモヤモヤを感じていました。

オフィスで会議をしている仕事仲間
写真=iStock.com/FangXiaNuo
※写真はイメージです

関わる人を自分で選ぶことができる

一方、副業のほうでは、人間関係のストレスはほとんどありません。

自分の裁量100%で始めた以上「関わる人を選ぶ権利」も自分にあるからです。

たとえば、ブログに読者がつき始めると、企業から「うちの商品をブログで紹介してくれませんか?」と依頼されることがたびたびありました。

新しくオープンしたカフェや居酒屋の感想を書いて報酬をもらえたり、企業が販売中の化粧品・ドライヤー・洋服などを無料でもらう代わりにブログで感想を書いたり、と内容はさまざま。

企業の担当者さんとやりとりする中で、ときにはモヤっとすることもあります。

「こちらの要望は一切無視で、ちょっと失礼な感じがするな……」
「細かく書いて欲しい感想を指定してくるけど、これって本当に読者さんにおすすめできる商品なのかな……?」

そんなときには「断る権利」が100%自分にあるのが、とても気が楽でした。

会社での人間関係は、自分の一存だけで変えることができず悩んでいたからこそ、「関わる人を自分で選ぶことができる」という働き方は魅力的でした。