一汁三菜は「おもてなし料理」
一汁三菜の原点は、精進料理の「おもてなし」料理です。戦後「専業主婦」という新しい職業ができたことで、家庭料理もこうした新しい役割に見合うレベルに引き上げようと様々な工夫がされてきました。その中で、それ以前の日常の食事とはかなり違う理想型が生み出され、広まってしまった部分もかなりあります。
それまでの日本は「一汁一菜」。特に農家などでは女性も長時間働いているので、料理に時間などかけられませんでした。一汁三菜は、おもてなし料理の形を、家庭に取り入れようとして生まれた理想型。日本の家庭食の原点ではありません。
こうした経緯を知るだけでも、気がラクになりませんか? おもてなし料理は、毎日作る必要ありませんよね。
「シッカリ栄養を取らないと」「主菜も副菜もシッカリ作らなきゃ」と一汁三菜に囚われなくても大丈夫なんです。
もちろん、時間も気力もある時には、食器にもこだわりながらバランスのよい一汁三菜を楽しみましょう。でも基本は「一汁一菜」で十分。汁物の中に野菜をたっぷり入れるなどして工夫をすれば大丈夫。栄養バランスは数日や1週間など、ゆとりを持たせたなかで整えればOK。毎日毎食、頑張り続けなくてもいいんです。
一汁一菜を豪華に見せる魔法
「食卓が寂しい感じになってしまいそう」と気になる方には、品数を増やすという発想から「風景を作る」という考えに変えてみることがおすすめです!
それにはランチョンマットを活用するのがいいですね。食卓に色が加わり、元気な空間になりますよ。子どもに好きなものを選ばせてあげると、ランチョンマットを敷くことを自分の仕事にしてくれたり、片づけに参加するというメリットも。
手間が増えるように思えるかもしれませんが、子どもを食事に参加させる点でも大いに役立つアイテムですよ。