1人目の社員が入社した翌日に社長が育休入り
こうして久保さんは妊娠中の妻を支え、かつ産後は育児にも積極的に参加した。「初めの社員が入社した次の日から、私が3カ月の育休に入りました」と久保さんは苦笑する。
なんと、無人コンビニの第一号がクライアント先に納入される記念すべき日に、社長は育休中だったのだという。
「その日だけは妻と調整して数時間家を空けてかけつけました。創業初期の社長が育休をとっても会社は回ります。あの時以上に育休を取りにくいシチュエーションはないはずなので、みんなにも積極的に取ってほしいと思っています」
週休3日制は、創業時から今に至るまで、600のすべてのスタッフで徹底している。前職のころに比べ、「働き方にメリハリがつきましたね」と久保さんは微笑む。
LINE時代は、昼の12時に出社することもあれば、帰りは夜の12時になることも。勤務時間は長くても、その間ずっとパフォーマンスが高いかというとそういうわけでもない。
今は、朝9時に出社して夕方6時に帰り、残業もほとんどしない。「自宅に19時に着くことを意識しています。育児って、参戦のタイミングが5分遅れてしまうことで、できることが変わってしまうので」(久保さん)。
週休3日はラクではない
現在社員数は18人。全員が週休3日で勤務している。週休3日ならさぞ楽に違いない、と思ったら大間違いだ。勤務日数が短いからこそ、パフォーマンスを上げることに全員がシビアなのである。
休日出勤や残業をしている社員を「がんばっているね」などとほめる文化のある会社もあるが、600ではまるで逆だ。もし休日に会社に出てきていたら、パフォーマンスが低いという評価になるので、必ず代休を取ってもらうのだそう。
「パフォーマンスが80%になるならこの制度は終わり。『週休3日制』は、パフォーマンスを上げ続けることで維持し、守るものなんです」と久保さんは言う。