定期的な運動と温めで、アンチエイジング対策を

【タイプ別・骨を鍛える対処法】

この時期は、寒さに加えて日照時間も減り、外で運動することが極端に少なくなります。特にカラダの枠組みである骨の成長には、食事や運動に加えて、太陽の光など、生活習慣が大きく関与しています。そのため、積極的に運動し、骨を鍛えるようにすることが大切です。

一生懸命頑張りすぎている頑張り屋さんタイプの人は、寒さやストレスでカラダが硬くなっているため、運動しても効率的に骨に圧力がかかっていません。そのため、ヒザより下の筋肉をストレッチしましょう。

具体的には、ふくらはぎの腓腹筋ひふくきんとスネの前脛骨筋ぜんけいこつきんの筋肉は、足首にかかる圧力を調整しているため、定期的にストレッチすることが大切です。息を吐きながら5~10秒程度ゆっくりと、イタ気持ちいい程度にストレッチし、1日10回程度行います(図表2)。仕事や運動の終わりやお風呂上りに行うと効果的です。

【前脛骨筋のストレッチ】①足の甲を伸ばす ②正座してカラダを後ろに倒して、前脛骨筋を伸ばす。
【腓腹筋のストレッチ】①壁に手をつき、踵をつけたままヒザをしっかり伸ばす。②足にタオルなどを引っ掛けて、ふくらはぎを伸ばす。

生活リズムの乱れによっておこる生活習慣タイプの人は、骨を丈夫にしてくれるような食材をたくさん摂りましょう。骨をつくり出すには、骨の材料となるカルシウムと、その吸収を高めるビタミンD、カルシウムを骨に定着させるビタミンKをバランスよく食べましょう。

牛乳、乳製品、小魚、干しエビ、小松菜、チンゲン菜などと、その吸収を高めるビタミンDを含むサケ、ウナギ、サンマ、シイタケ、キクラゲなど、カルシウムを骨に定着させるビタミンKを含む納豆、ホウレンソウ、ニラ、キャベツなどを積極的かつバランス良く摂取する必要があります。

年齢による加齢タイプの人は、骨に付加を与え、鍛えることが大切です。もっとも効率的な運動が、かかと落とし運動です。骨に適度なストレスを与え、骨の促進を促します。

かかと落とし運動とは、肩幅の広さに足を広げ、つま先立ちをした後に、ストンとかかとを落とす運動です。初めは2~3㎝程度かかとを上げるところからはじめ、徐々に高さを上げていきます。1日30回~50回程度行いましょう(図表3)。

【かかと落とし運動:イスなし】
【かかと落とし運動:イスあり】

なお、自分のカラダのタイプに関しては、カラダの状態を入れるだけで簡単にわかる無料アプリYOMOGIを利用すると便利です。月に1回(毎月10日まで)入力すると、あなたに合ったその月の養生法が送られてきます。

小雪は冬が本格化していく時期。カラダの冷えは動きを悪くするだけでなく、ホルモンの分泌や生殖器系や泌尿器系の症状にも影響を及ぼし、老化を促進します。そのため、日ごろから下肢を温め、定期的に運動を行うことでアンチエイジングしましょう。

「小雪の特徴」

●心身の症状
カラダ:背中が丸くなる、循環が悪い、内分泌異常
ココロ:気持ちの落ち込み、うつ

●季節に多い症状
骨の脆弱化

●心身の養生法
骨を鍛える(食事、運動、生活習慣)

●食養生に効く食材
クルミ・リンゴ

●ツボ
太谿(たいけい)

写真=iStock.com

伊藤 和憲(いとう・かずのり)
明治国際医療大学大学院/養生学寄付講座教授

鍼灸学医学博士・全日本鍼灸学会理事。同大学附属鍼灸センター長。トリガーポイント鍼治療の第一人者であり、慢性痛の緩和治療に精通。現代女性のための、東洋医学に基づく心身のセルフケアも指導している。