うつ、老化対策には、日光浴と適度な運動が大切
東洋医学では冬は老化が進む時期と考えられています。寒さのため動かずにいると筋肉や骨が弱ると考えられています。筋肉や骨はある程度の負荷がかからないと成長しないため、運動が何よりも大切です。筋肉が弱ると筋ポンプ作用が低下し、循環器の異常が現れます。骨が弱ると背中が丸くなり、内分泌系や脳などの異常が起こりやすいため、老化が進んだように感じます。そのため、老化対策として暖かい日には外に出て、足腰を鍛えるような運動を積極的に取り入れ、骨を丈夫にするように心がけましょう。
この時期は、日光に当たる時間が少なくなることから、気持ちも落ち込みやすく、うつ傾向になりやすいのが特徴です。気分を調整してくれるセロトニンは、豆類などに含まれるトリプトファンからつくられます。豆類を積極的に摂取し、そのうえで太陽の光に当たることが必要です。天気がよい日は積極的に太陽の光に当たるよう、外に出かけてみましょう。
骨を強化する食事と運動を取り入れよう
「カラダとココロの養生法」
骨を丈夫にするには食事と運動が不可欠。カルシウムやビタミンDを摂取するために小魚やヒジキ、大豆などの豆類、ヨーグルトや牛乳などの乳製品、サンマやサケ、シイタケなどを積極的に摂取しましょう。そのうえで、骨を鍛える片足立ちやスクワット運動を行うといいでしょう。骨は圧力が食わると成長しやすいことが知られています。そのため、骨に圧力がかかるような少し強めの運動が効果的です。
片足立ちの運動は、椅子などにつかまりながら片方の足で15秒行い、15秒の休憩後、反対側の足でも15秒。これを1日10セット行いましょう。また、スクワット運動は肩幅に足を開いて椅子の前に立ち、中腰の状態で10秒耐えたら椅子に座る運動を。こちらも同様に1日10セット行いましょう。
そして、食事と運動に匹敵するくらい重要なことは太陽の光に当たることです。骨を強くするにはきちんと栄養を取り、骨に圧力を加え、日光に当たらないと合成されません。まさに、日ごろの生活のたまものです。朝、太陽の光とともに起き、3食きちんとバランスのいい食事をとり、日中は光を浴びながら外で作業する。この生活習慣こそが、骨を丈夫にし、若返るための秘訣です。
「食養生」
この季節の旬はクルミです。クルミは栄養価が高く、滋養強壮に効果があるとされています。そのため、骨を強くするのに効果的な食品であるとともに、カラダを温める作用もあるため、冬のこの時期にはとても良い食材といえます。また、この時期に旬を迎えるリンゴは、消化機能を助け、呼吸機能を強化する役割があります。さらにカラダにうるおいを与え、肌の乾燥を防ぐ役割もあるので積極的に摂り入れましょう。
「お勧めのツボ」
小雪を乗りきるためのおすすめのツボに太谿があります(図表1)。太渓は内くるぶしとアキレス腱の間のくぼみにあります。このツボは、カラダの基盤となる力を高めてくれるツボであり、アンチエイジング効果が高いだけでなく、腰下肢痛や生殖器系の症状、泌尿器系の症状など幅広い症状に効果的です。イタ気持ちいい程度に10秒程圧迫し、5秒空けて5回程度刺激するようにしましょう。なお、触って冷たい場合はドライヤーで温めたり、お灸を行うことをお勧めします。