※本稿は山田智恵『ミーニング・ノート』(金風舎)の一部を再編集したものです
突然、一家全員無職に
私は大学を卒業して、父が経営していた会社に入れてもらいました。
父は「日本の製造業を強くする」という志のもと、40歳の時に起業し、会社は20年ほど順調に成長していました。私は恵まれたことに、生活の心配もしたこともなく、世間知らずのまま、ヌクヌクとお嬢様生活をさせてもらっていました。
それが、ある日突然ガラガラと音を立てて、人生が変わってしまいました。
2008年にリーマンショックが起きて、会社は民事再生を申請することになったのです。なんとか再生の申請は通り、会社は倒産することなく経営を維持することはできました。
ところが、社内で色んなことが起き、創業者であった父も含めて、私たち家族はクビになり、一家全員無職となってしまったのです。
今でこそ人に話せるようになりましたが、当時はかなり落ち込んでいました。いえ、落ち込むというより、絶望という言葉の方がしっくりきます。
信じていた人たちに裏切られ、心はボロボロに。そして、何より一家全員無職の状態です。いきなり、裸で社会にポーンと投げこまれた感覚でした。