絶望から立ち直るための新しい習慣
「これから、どうやって生きていこう……」
新聞にも会社のことが載り、世の中全てに見放された気持ちになった私は携帯の番号を変えて、誰とも連絡を取らなくなりました。
そして、ネットカフェに1日中引きこもってマイケル・ジャクソンのマン・イン・ザ・ミラーを何百回と聞いて過ごしていました。出かけるのは、弟と一緒にハローワークに失業手当をもらいに行く時だけでした。
3カ月くらい経ったころ、なんとか気持ちを回復させようと思って始めたのが毎日嬉しいことを3つ日記に書く「嬉しいこと日記」です。
最初は、嬉しいことを3つも探すこと自体が大変でした。
でも、他に頼るものもなく、毎日続けていたら、「本当に私の嬉しいことってこれだけ? もっとあるでしょ!?」という気持ちがムクムクと生まれてきたのです。それから、私はもっと慎重に「嬉しいこと」を探し始めました。
そうしたら、少しずつ、毎日違う嬉しいことを見つけることができたのです。
・「きみたちはどう生きるか」を読んで感動した。
私は、この嬉しいこと日記を通じて、「探せば見つかる」という体験をしました。嬉しいことがなかったわけではなかったのです。ただ、私が見ていなかっただけ。
32歳就活未経験からの出発
嬉しいこと日記にずらっと並んだ嬉しいことを見ていると、「人生悪いことばかりじゃないな」と思えるまで、私の心は少しずつ回復してきました。
でも、現実は甘くありません。失業手当をもらえる期間も残り少なくなっていました。
「働きたくないなぁ、やりたいことなんてないし。そもそも、就職活動とか怖いし。あなたの強みはなんですか? なんて聞かれても、そんなものないよ」
正直なところ、こんな風に思っていました。でも、自分でどうにか生きていかないといけないので仕方ありません。
32歳で、仕事の実績も大してなく、それどころか就職活動もしたことがない当時の私。ネットで履歴書の書き方を調べ、知恵熱が出るほど緊張しながら、生まれて初めての就職面談に出かけました。
そして、何社か落ちた後、「あ、ここの会社の人たちって、素敵だな」と思える会社と出会い、運よく拾ってもらったのです。
会社に入れる! ということでホッとしたのも束の間。