新事業の立ち上げに寛容だったITベンチャーを、「どうしても教育事業がやりたくて」飛び出した道村弥生さん。子どもの好奇心を育む事業をと「ハグカム」を立ち上げたが、資金調達も事業計画もすべてが手探り状態。孤独や不安に襲われた時、何が支えになったのか──。

起業なんて夢にも考えていなかった

大学時代にSNSにハマり、インターネットサービスに興味を持ったという道村さん。新しいサービスをゼロからつくりたい、チームの中でリーダーシップを発揮したいという思いもあり、当時急成長を続けていたサイバーエージェントに就職した。

ハグカム 代表取締役 道村弥生さん

「仕事内容も会社のカルチャーも自分にぴったりで、新事業の立ち上げから子会社経営、人事までたくさんの業務を経験させてもらいました。忙しい毎日でしたが、勤務していた8年半のほとんどは、業務にも環境にも何の不満もなかったんですよ」

はたから見れば理想的な会社員生活。なぜ、それを捨てて起業に至ったのだろうか。