では、なぜビタミン・ミネラルが不足するのでしょうか。その原因のひとつは、朝食を食べないこと。人間の胃の容量は、1.5~2.0リットルで満腹状態になり、1日3回食事を摂ることで必要な栄養素を摂取しやすく、栄養バランスも整ってきます。しかし、「国民健康・栄養調査」によると、朝食をまったく食べない人のほか、朝食として菓子パンやフルーツだけを食べる人、サプリメントなどの錠剤を飲むだけの人も。つまり、朝食を食べているつもりでも、十分な栄養素が摂れていない場合があるのです。
・朝食を食べない
・野菜不足
・食べる野菜の種類が少ない
野菜の量と種類を意識して食べよう
野菜不足も、ビタミン・ミネラルが不足する原因のひとつ。ある種のビタミン・ミネラルの推奨量や目安量を摂取するためには、1日350~400gの野菜が必要とされています。しかし、同調査によると、1日350g以上の野菜を食べている人は30代女性で17.4%、40代女性で22.1%と圧倒的に少なく、野菜不足であることがわかります。
さらに、ビタミン・ミネラル不足を解消するには、食べる野菜の種類を意識することも大切です。日本人が日常的に食べている野菜は「トマト、ニンジン、ホウレンソウ、ピーマン、キャベツ、キュウリ、ダイコン、タマネギ、ハクサイ」の9種類程度。さらに緑黄色野菜より、いわゆる淡色野菜の摂取量のほうが多い状況です。
グラフを見ると、日本人がよく食べる野菜だけでは、摂取できるビタミン・ミネラルに偏りがあることがわかります。つまり、野菜不足だからと、やみくもに野菜の量を増やすだけでは、ビタミン・ミネラル不足を改善することは難しく、いろいろな野菜、特に緑黄色野菜を意識して摂ることが重要なのです。
不調の改善には、三大栄養素の摂取が不可欠
ビタミンやミネラルは生命を維持するために、体内で多様な役割を果たしているもの。例えば、ビタミンB1は糖質をエネルギーに変える際に必要な栄養素です。そのため、不足すると、疲れ・だるさなど、さまざまな不調をもたらします。
しかし、栄養素はすべてが連動して生命を維持しているうえ、心身の不調も多様な要因が重なって引き起こされます。そのため、特定のビタミン・ミネラルを補うだけでは不調を改善することは困難です。
何より大切なのは「タンパク質、炭水化物、脂質」の三大栄養素をきちんと摂取し、栄養のバランスを整えること。そのうえで、疲れがひどいときはビタミンB1を補うなど、不調に応じたビタミン・ミネラルをプラスしていくことが重要です。そこで今回は、不調の改善に役立つビタミン・ミネラルを紹介します。