自分に合った避妊方法を知ることで、描いた人生設計が円滑に

現在日本で用いられている避妊法はさまざまな種類があるが、年齢や生活習慣、将来の出産予定やパートナーの協力度によって、それぞれに適した方法を選ぶことが大切だ。

まず、もっともポピュラーな避妊法は、「コンドーム」の使用。学校の性教育でもおなじみの誰もが知っている避妊具であり、正しく装着すれば、精子を膣内に進入させることなく、さらに性感染症の予防にも役立つ。ただし、男性側にしっかりとした避妊意識があれば別だが、性行為に至っている中でコンドーム着用を男性にお願いするのは、相手の機嫌を損ねムードを壊すのではと、なかなか言い出せない女性も多い。性感染症への罹患リスクの予防にはもっとも効果が高いが、男性の決断に依存する点から考えると、確実に避妊できるとは言い難い。

コンドーム(ラテックス製男性用避妊具)

メリット
●膣内への精子の進入を阻止
●細菌やウィルスによる性感染症を予防
●手軽に購入できる

デメリット
●膣挿入前の装着が必要
●装着・使用方法により精子が漏れる危険
●男性に使用決定権がある

失敗率
(正しい利用により)2%
(一般的な利用法により)18%

出典:MSDマニュアル家庭版「バリア法による避妊方法」を参考に編集部作成

意図しない妊娠を避けるには、男性に使用決定権があるコンドームより、女性自身の意志で使用できる避妊薬や避妊具が必要になる。その代表格が、経口避妊薬「ピル」だ。

「以前に比べ『ピル』への抵抗感は低くなってきましたが、それでもまだ『ピルは太る』『ピルは怖いもの』といった古いイメージを持っている女性も多いですね。現在は、低用量のピルを処方するのが一般的。避妊目的はもちろん、生理痛の軽減、生理不順の改善にも効果があることを知ってほしいですね」

ピルは、経口避妊薬として一般的に利用されているが、毎日正しく服用する必要があり、つい飲み忘れてしまうという人も少なくない。飲み忘れた場合には、妊娠する可能性はあるのだろうか。

「3日間連続で飲み忘れた場合は、排卵が再開し妊娠する可能性はあります。自己判断で再開せず、飲み忘れた場合は速やかに医師に相談し、再開できるか否かの判断を仰ぎましょう」

ピルの服用忘れで妊娠し、そのままピルを飲み続けて妊娠していることに気づかなかった女性の例もあるそう。ピルを選択した場合は、くれぐれも飲み忘れには注意したい。ただし、血栓症のリスクが高まるため、低用量ピルの服用は40歳までが適用範囲だそうだ。

OC(低用量経口避妊薬)

メリット
●毎日の正しい服用で、高い避妊効果を発揮可能
●経血量の減少、月経痛の緩和など
●未産婦でも使用できる

デメリット
●服用初期に、吐き気・頭痛などが出現する場合も
●授乳中は使用できない期間がある
●飲み忘れにより、避妊効果が脆弱する

失敗率
(理想的な利用により)0.3%
(飲み忘れなどある場合)9.0%

出典:バイエル薬品冊子「IUS」より一部編集