「妊娠」は、女性の人生にもっとも影響するライフイベントだ。自分や娘の人生設計の中で「意図しない妊娠」を避けるためにも、改めて「避妊」の知識を深めたい。
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30代、40代でも、正しい避妊知識のない人が多数!

妊娠できないと悩む女性がいる一方、意図しない妊娠に悩む女性もいる。厚生労働省発表の平成29年(2017)度「衛生行政報告書」によると、人工妊娠中絶件数は約18万2000件(図表1参照)。50年前の昭和30年代と比べれば格段に減少しているものの、平成29年度の出生数、約96万6000人からみれば(図表2参照)、その約5分の1にあたる数の妊娠が何らかの理由で継続されていないということになる。もちろん、胎児の発育不全などにより妊娠継続が不可能になったり、母体への負担が多すぎて継続できなかったりする場合もある。が、大半が「意図しない妊娠」による中絶というのが現実だ。

「統計では、中絶を実施するのは20代がもっとも多く、次に30代が続きます。40代は妊娠率そのものが低く母数が少ないため、統計上は低いように見えますが、妊娠中絶を選択する率は20代よりも多いトップとなっています」と、話すのは、「アヴェニューウィメンズクリニック」院長の福山千代子医師。40代だからといって絶対に妊娠しないと思い込むのは危険だという。

「日本では、性に関することをタブー視している家庭もあるようで、親から避妊などの知識を得る機会はほとんどないと言っても過言ではないでしょう。男女ともに『中出ししなければ大丈夫』と、間違った知識のままコンドームなどの避妊具をまったく使用せずに性行為へと進めば、妊娠する可能性が高くなるのは当然です」

こういった間違った知識を持つのは、10代、20代の若い世代ばかりではなく、30代、40代でも正しい避妊の知識を持ち得ていない人は多いと語る。