3.日常製品の買いだめはほとんど意味無し
過去の消費税増税を振り返ってみても、駆け込みで購入されるのは高額商品よりも日用品のケースが多いようです。でもこれはあまり意味がありません。そもそも日用品ですから価格はそれほど高くないでしょう。
仮に1万円分を買いだめしても影響は200円程度しかありません。そのために当面必要でないものまでわざわざお店に買いに行くことの方が、時間がもったいないですし、買ってきたものを家の中に置くのだって場所をとります。生活全体のトータルコストを考えるとそれほどメリットがあるようには思えません。
とくに食品の場合は買いだめが困難ですし、多くは軽減税率が適用されていますから、買いだめの必要はありません。前述のようにお店によってはポイント還元があることを考えると日常製品の買いだめはほとんど意味がないと考えておくべきです。
「増税だから」買うのはお金の無駄
何よりも「増税」という言葉で反射的に当面不要なものまで買ってしまうというのは完全にお金の無駄です。行動経済学では「選好の逆転」という言葉を使いますが、本来買い物というものは必要だから買うわけです。にもかかわらず、ポイントが付くから買うとか増税だから買っておくというのはまさに行動の基準が狂ってしまっているわけで、無駄な消費以外の何物でもありません。
それでも事前に買っておいた方がいいものを挙げるとすれば、定期券等のように、価格が決まっているものやあらかじめ行くことが決まっている場合の旅行、そしてマンションなどの不動産ですが、これらの対象もここからではあまり現実的ではありません。なぜなら、マンション等の場合は、確かに価格が高いので税金の影響は大きいのですが、10月1日時点で未完成のものは3月末までに契約が終わっていないと税率は低くなりません。今からでは無理ですし、ここから慌てて完成したマンションを買うというケースなどほとんどないでしょう。定期券だって、ここから9月末までに期限が切れる人はわずかなはずです。したがって、あまり意味はありません。
今回のテーマとは関係ありませんが、マンション等の場合は、少し動向に変化が見えてきているようですので、ここから先は価格が大きく下落するかもしれないという懸念もあります。購入するにしてもしばらく様子を見た方が賢明ではないでしょうか。