このところ各方面で耳にするフードロス問題。日本で廃棄されている食品は世界食糧計画(WFP)による食糧援助量の2倍に当たるといわれています。自粛要請で家にこもることが多い今、そして不安な気持ちから、つい買いだめをして食品ロスにつながりがちなこの時期だからこそ、家庭からの無駄な食品廃棄について真剣に考えるタイミングです。
余りにも多くの食材が廃棄されている
※写真はイメージです(写真=iStock.com/MachineHeadz)

加速するフードロスの現実

本来食べられるにもかかわらず、捨てられてしまう食べ物は日本では年間約612万トン。そのうちの約284万トンは家庭から出るフードロスだといわれている(平成29年度農林水産省・環境省推計データ)。

家庭で発生するフードロスの原因は主に3つ。ひとつめは、食卓にのぼった料理を食べきれずに残してしまうもの。そしてふたつめは、賞味期限切れにより、手つかずのまま廃棄されるもの。そして3つめは、厚く剝きすぎた野菜の皮や過剰に切り落としてしまった可食部分の廃棄によるものだ。

新型コロナウイルス感染拡大防止のため、行動制限や自粛が行われている今の時期。家で食事をとる機会が増えたのと同時に、どうしても買いだめや買いすぎによる家庭でのフードロスが増えることが予想されている。フードロスが引き起こす問題は食料を無駄にしているというだけでなく、ゴミを燃やすことによる地球温暖化の促進や、処理に必要な税金の無駄使いにも寄与することとなるから、まったくひとごとではない。

では、日常生活で私たちはどのようなことに気をつければいいのだろうか? 実はフードロスは私たちの小さな心がけひとつで大きく減らすことが可能なのだ。