増税商法に騙されてはいけない
こうした商品に限らず、どんな購買行動についても、税率が上がるからこの期に買ってしまおうというのは本末転倒であり、まさに前述の「選好の逆転」に他なりません。必要なものを必要なだけ購入するのであれば増税前に購入しても良いでしょう。
でもこれは繰り返しになりますが、増税だからその前にここぞとばかりに買いだめをするというのは結局不要なものを買ってしまいかねません。余分な買い物をした結果、使いきれなくて放ったらかしになっていたり古くなって捨ててしまったりすることも起こり得ます。多くの業者は消費税増税があると、それを商売チャンスと考え、その前に駆け込み需要を喚起するような広告や記事を載せますが、それらに乗せられないようにすることも大切です。
税金が上がる=損をする、という単純な発想ではなく、本当に必要なものであれば、税は関係なく買えば良いし、不要なものはいくら“お得”と言われても買うべきではないということでしょう。
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1952年大阪府生まれ。オフィス・リベルタス創業者。大手証券会社で個人資産運用業務や企業年金制度のコンサルティングなどに従事。定年まで勤務し、2012年に独立後は、「サラリーマンが退職後、幸せな生活を送れるように支援する」という理念のもと、資産運用やライフプランニング、行動経済学に関する講演・研修・執筆活動を行った。日本証券アナリスト協会検定会員、行動経済学会会員。著書に『投資賢者の心理学』(日経ビジネス人文庫)、『定年男子 定年女子』(共著・日経BP)、『知らないと損する 経済とおかねの超基本1年生』(東洋経済新報社)、『お金の賢い減らし方』(光文社新書)など多数。2024年1月没。