政府は「手取りを増やす政策」を掲げているが、本当に実現するのか。経済ジャーナリストの荻原博子さんは「政府は一度手にした税金を手放したくない。実は現役世代の手取りをこっそり減らす増税が進行している」という――。
税金の計算をする人
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「手取りを増やす」の裏で「こっそり増税」

103万円の非課税枠を178万円まで引き上げることで「手取りを増やす」という国民民主党の主張に多くの人が賛同し、昨年の衆議院選挙では同党は大きく議席を伸ばしました。

ただ、国民民主党、公明党、自民党で三党合意したはずの「手取りを増やす政策」は、合意文書の中に「178万円をめざす」とあったために、「めざしましたが、127万円が精一杯でした」という言い訳ができるようになっており、それ以上に上げる議論は、いまだに出てきていません。

その一方で、「手取りを増やす」どころか、「手取りを減らす」ことになる増税のほうは、国民の見えないところで粛々と進んでいます。

そこで、一般の人々が気づかないまま、実質増税されている“ステルス増税”や、これから増やされそうなものは何があるのか見てみましょう。