お金があるから家事をアウトソースするのではない

その柔軟性を反映していることのひとつが、外部リソースの積極的な活用です。たとえば海外では夫婦共働きが中心で、ベビーシッターや家政婦を雇うのが日常茶飯事なように、日本の富裕層もお金を払って外部の手を借り、自分の時間を生み出しています。

彼らには「他人が家の中に入るのが嫌」「シッターに預けるなんて子どもがかわいそう」「親の介護は家族がやるべきだ」などという非合理的で古い価値観はありません。

そうすれば、子どもの世話や親の介護のためにキャリアを犠牲にする必要もないし、それで浮いた時間で仕事もできるし、家族との間にも余裕が持てます。

それは「お金があるからできることだろう」ではなく、自分の限られたリソースをどこに配分すれば、自分や家族がもっともハッピーになるのかを考える、極めて発展的な姿勢なのです。

写真=iStock.com

午堂 登紀雄(ごどう・ときお)
米国公認会計士

1971年岡山県生まれ。中央大学経済学部卒業後、会計事務所、コンビニエンスストアチェーンを経て、世界的な戦略系経営コンサルティングファームであるアーサー・D・リトルで経営コンサルタントとして活躍。IT・情報通信・流通業などの経営戦略立案および企業変革プロジェクトに従事。本業のかたわら不動産投資を開始、独立後に株式会社プレミアム・インベストメント&パートナーズ、株式会社エデュビジョンを設立し、不動産投資コンサルティング事業、ビジネスマッチング事業、教育事業などを手掛ける。現在は起業家、個人投資家、ビジネス書作家、講演家として活動している。著書に『33歳で資産3億円をつくった私の方法』(三笠書房)、『決定版 年収1億を稼ぐ人、年収300万で終わる人』(Gakken)、『「いい人」をやめれば人生はうまくいく』(日本実業出版社)、『お金の才能』『お金の壁の乗り越え方 50歳から人生を大逆転させる』(かんき出版)など。