オン・オフを分けるのはもったいない

富裕層のほとんどが「起業」を選ぶ理由もそこにあります。

そもそも「起業」とは衣食住と同じくらい人間の本能に根差したもので、自らの知恵と努力と才覚で生きて行こうという、生々しい生存欲求に他なりません。

未知のことに挑戦する姿勢は、人間だけが持つ知的好奇心でもありますし、自分が提供する商品やサービスが社会に貢献しているという実感は、究極の自己表現手段、自己実現手段と言えます。

そんな楽しいことをしているわけですから、オン・オフを分けるのはもったいないぐらいなのです。

次に富裕層は、自分のライフステージにおいてワークとライフがアンバランスになるのは当然のことであり、その時々で最適な対応をすればいいと、無意識の思考が根底にあるのではないかと考えられます。

たとえば独身であれば仕事一辺倒であっても、結婚して子どもが産まれれば、仕事のペースを落とし家族に割く時間が多くなります。親の介護が発生した場合などでも同じです。そして子どもが大きくなって手がかからなくなれば、再び仕事の割合が増える。それは当然である。

富裕層男性は家事育児にも積極介入

にもかかわらず、これほどワークライフバランスがもてはやされる理由はやはり、会社に縛られて時間の融通が利かないとか、「育児は妻がやるべき」などといった根拠のない常識にとらわれて、自分の時間や生き方を適切に調整できないからなのでしょう。

しかし起業して自分がトップになれば、勤め先からの束縛から解放され、自分で就業規則を作れますから、ワークとライフは自由に調整することができます。

そして、富裕層の男性は「家事育児は女性の役割」などといった固定観念がない人が多いので、積極的に家事にも育児にも介入しますし、リモートワークなど在宅勤務を取り入れる柔軟性を持っています。