成績は女性のほうが高い

「ならば、女性は優秀じゃないんじゃないの」――残念ながら、この意見は「真実」とはいえません。教育機関で成績を管理している方なら、それが「真」とはいえないことは経験的にわかっていると思います。多くの教育機関では、学生の成績評価で用いられるGPAの数値は女性のほうが高いことがほとんどです。しかも、大学生研究をひもといてみると、女性の方が、キャリアへの関心が高く、社会に貢献したい意欲をもっています。世の中でも、すでに女性のほうが優秀であることがバレてきていると思うのですが(笑)。

昇進意欲は、女性の「能力」や「やる気」とは無関係

「じゃ、女性が単純に長く働く意欲がないからからでしょ」――これも残念ながら、真とはいえません。昔はM字カーブといって、就職してから結婚・出産まで働き、育児のためにいったん家庭に入り、子育てが一段落するとまた働き始める傾向がありました。今はMの谷(落ち込み)が緩やかになっています。女子学生も企業を選ぶ際、長く働けるかを一番に考えて就職活動をしています。

昇進意欲の差は社会に出てから生まれ、それは元々の女性の能力や仕事のやる気とは無関係であると結論付けられます。

入社後たった1年で昇進意欲が減退する

昇進意欲が組織的な要因にあることがよく分かるデータを見てみましょう。入社1年目から2年目にかけての管理職志向の変化を調べたものです(図表2:独立行政法人国立女性教育会館2017「男女の初期キャリア形成と活躍推進に関する調査研究」より一部を改変)。

図表2:入社1→2年目の「管理職志向」の変化(男女別) 女性は「2年目」で昇進意欲を失う

まず1年目の管理職志向が「ある」人は、男性で94.1%、女性で64.7%です。男性のほうが30ポイント近く高いので、確かに男性の昇進意欲は女性よりも高いのだなと分かります。この点はこの点で問題はあります。しかしもっと考えなければいけないのがその次の数値です。1年目は管理職志向があったのに、たった1年で意欲を失った人たちの割合です。男性は9ポイント程度しか減っていませんが、女性は20ポイントも下がっています。

女性だけが昇進意欲を失ってしまう「何か」があることが明白です。