多様な働き方が広まるなか、日本でも増えてきているシェアオフィス。一方、利用者同士がつながる“コワーキング”をコンセプトにしたスペースが人気のフランス。都心から田園地帯へと、新しい形の“仕事場”を訪ねました。
【都心編】異業種の人と交流して共に働くことで、新しいアイデアやビジネスが生まれる
長期利用者のために13席、ノマド(短期利用者)に8席の割合で貸し出しているコワーキングスペース。窓からの自然光と間接照明が溶け合うパリらしい空間。

古い工場を改装した、アットホームな雰囲気

パリに最初のシェアオフィスが現れた2012年から、草分け的存在として人気を誇る「ラップトップ」。創業者は、世界を旅し、諸外国でウェブサイトなどの、フリーランスのUXデザイナー(ユーザーが使いやすいデザインを構築する人)として働いていたポーリーヌ・トマさん。

(左)創始者ポーリーヌさん。企業内のコワーキングを推奨するワークショップの講師としても活躍。(右)ヴィンテージの家具を配した趣のあるサロンも利用可能。

1つの空間で異業種の人々が机を並べて仕事をし、キッチンやテラスで一緒に休息をとる――。異なる視点や専門分野の人と触れ合うことで、新しいアイデアが生まれることも。

「1人きりでは体験できない交流の場を、ビジネスのスタートアップに役立ててほしい」とポーリーヌさんは語る。アメリカ・西海岸などのコワーキング(共働)先進エリアで働き、人と人がつながることの重要性を実感したことが起業の原点だ。