消化吸収機能の衰えには、善玉菌を増やして、腸内環境を整える
「タイプ別・アレルギー症状の原因」
この時期に胃腸の調子が悪くなると、腸内環境がくずれ免疫力が低下してアレルギー症状が強くなることが知られています。
特に、一生懸命頑張りすぎている頑張り屋さんタイプの人は、交感神経が亢進(こうしん)しているために、血流が悪くなり、消化吸収機能が低下して腸内環境のバランスが偏りがち。消化機能はリラックスしたときに高まるためアロマやハーブなどを活用することでリラックスする時間をつくり、胃腸に血液が回るように心がけましょう。また、生活リズムの乱れによっておこる生活習慣タイプの人は、腸内環境の悪化が原因に。腸内の善玉菌を増やすように食習慣を改善しましょう。
年齢による加齢タイプは、肺の機能が低下しているため、呼吸法を利用して肺を鍛えることが大切です。
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「タイプ別:アレルギー症状の対処法」
頑張り屋さんタイプの人は、アロマやハーブを用いてリラックスする時間を増やすしましょう。レモンやペパーミントなどの柑橘系のアロマやハーブには消化機能を高める役割があります。食後や睡眠前、さらにはリラックスタイムにこれらを活用するとよいでしょう。なお、アロマを用いたハンドマッサージも効果的です。親指の付け根のあたりには、肺に関係する経絡が流れていますので、マッサージするのがお勧めです(図表1)。
生活習慣タイプの人は、善玉菌の1つであるビフィズス菌を増やすように心がけましょう。ビフィズス菌は穀物、芋類、豆類、干しシイタケ・切干しダイコンなどの乾物、大豆、バナナ、牛乳などのオリゴ糖が豊富な食品や、ヨーグルトなどの発酵乳製品に多く含まれています。これらの食品をなるべく多く摂取するようにしましょう。
最後に加齢タイプの人は肺を鍛えましょう。具体的には、8秒数えながら肺が一杯になるまで息を吸い、吐き出します。その後16秒を使って少しずつ息を吸っていきます。最後に2~3秒息を止めてから力強く息を吐きます。この呼吸法を3回程行いましょう。
処暑は、秋の深まりを徐々に感じる季節です。台風が通過するごとに秋の気配が強まり、虫の音色も夏とは少しずつ異なってきます。そのため、季節の変化に心身が追いつかず、自律神経の調整がうまくいかないことが、腸内環境を乱す原因となり、アレルギーなどを引き起こしやすくなります。
そのため、この時期は腸内環境を整えるためにビフィズス菌をなるべく多く取るとともに、消化機能を高めてくれる柑橘系のアロマやハーブを用いることでリラックスし、消化機能を高める努力をしましょう。
「処暑の特徴」
●心身の症状
カラダ:アレルギー症状の悪化、腸内環境の悪化
ココロ:感情が不安定、涙がこぼれる
●季節に多い症状
アレルギー、消化不良
●心身の養生法
呼吸法、生活習慣の見直し
●食養生に効く食材
ダイコン、ビワ
●ツボ
太淵(たいえん)
写真=iStock.com
鍼灸学医学博士・全日本鍼灸学会理事。同大学附属鍼灸センター長。トリガーポイント鍼治療の第一人者であり、慢性痛の緩和治療に精通。現代女性のための、東洋医学に基づく心身のセルフケアも指導している。