ようやく暑さが和らぐ季節に。朝晩の涼しさに秋の気配を感じますが、気温の変化に体調が追いつかないことも。この時期に大切なカラダとココロの養生法を知りましょう。
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朝晩は涼しくなり、秋の気配が漂う“処暑”

処暑は8月23日~9月7日の時期。暑さが和らぐ頃を指し、「処」には、来て貯まるという意味があります。昔から、立春から数えて210日目の9月1日は台風が来ると言われ、暑さがようやく治まり、朝の風や夜の風に、秋の気配が漂いだします。次第に涼しくなってくるために、体調管理には十分気をつけましょう。

処暑は、朝晩の気温差や夜の虫の声などで秋の気配を感じます。ただし、日中はまだまだ暑さが続くため、納涼床や屋形船などで涼むのがこの季節の風物詩です。

季節のはじまりの初候は、スダチや魚のカサゴなどが旬を迎えます。また、綿の木の花が咲いた後、蒴果(さくか)という実につく白い線維が綿花になるため、綿花の収穫の時期でもあります。そして、季節が進む次候では、ブドウが旬を迎え、立春から数えて210日目の二百十日(にひゃくとうか)には、昔から台風がやってくると言われており、野分(のわき)と呼ばれる草木を分けるほどの激しい風が吹き荒れます。

終わりである末候は、イワシやイチジクが旬を迎えるとともに、チロチロと鳴くマツムシの声があちこちで聞こえはじめると、秋もそろそろ中盤へと移り変わります。

季節の変わり目には自律神経が乱れ、アレルギーが悪化

ようやく暑さも落ち着き、朝晩は過ごしやすくなってくる頃。季節の変わり目には自律神経の異常が起こりやすく、アレルギーなどの症状を持つ人はひどくなりやすいのもこの時期です。

近年、アレルギーの出現には腸内細菌が重要な役割を示すことが知られています。特に小児期に抗生物質などを多用すると、大切な腸内細菌が死滅してしまい、アレルギーになりやすいとの研究が報告されています。さらに腸内細菌は食べ物の消化吸収にも関係していることから、食物がうまく消化吸収されないことで体力が落ち、免疫力が低下すると風邪などを引きやすくなります。

そのため、この時期は腸内環境を整え、アレルギーとも関係が深い免疫力の増強に努めることが大切です。

気候的にも過ごしやすくなるため、仕事ははかどり、やる気に満ち溢れてきます。読書の秋や運動の秋と呼ばれるように、この時期は積極的にいろいろなことをはじめたくなります。その一方で、自律神経の調整がうまく行えずに免疫力が低下していると、やる気が起こらず、気持ちだけが焦りやすくなります。そのため、感情が不安定なり、喘息が起こったり、感情がコントロールできずに不意に涙がこぼれたりするようなことも。カラダの管理だけでなく、ココロの管理もしっかり行うようにしましょう。