責任重大な役職と家庭生活の両立の秘訣
プライベートでは4歳と2歳の子どもたちの母親でもあるカーリンさん。責任重大な役職と家庭生活の両立の秘訣(ひけつ)は、スウェーデンのワーク・ライフ・バランス主義にある。そもそもロンドンからストックホルムに生活基盤を移したのは、将来の家族形成を考えてのこと。この国では核家族世帯でも仕事と育児が両立できるように、政府の手厚い施策がある。たとえば子どもが病気になった場合、政府の補助によって有給休暇を利用できる。希望すれば自宅勤務も可能だ。雇用側も盛んに長期の有給育児休暇を奨励するほど。
ベリエルンド家では、近所の中学生のベビーシッターに子どもの幼稚園のお迎えを頼んでいる。朝、子どもたちを送っていくほうが会社に残って仕事をし、朝早く出勤したほうが先に帰宅して夕食の準備をする。どちらがどの担当をするかは、お互いの仕事のスケジュールによって変わるので、夫婦間の密なコミュニケーションが欠かせない。また、月に1度は、どちらかの両親に子どもをあずけて2人で外食や観劇を楽しむ。「大人のお出かけをして、気分をリフレッシュさせています」
夫婦間の思いやりと助け合い、そして周囲の協力――。子どもを持つ女性が無理なく仕事を続けるには、何よりも大事だと痛感している。
6:30 起床後、シャワーを浴びる。
7:00 たらこペーストのパンで朝食。
8:00 子どもたちの世話。
8:30 子どもたちを保育園に連れていく。
9:00 出勤。アメリカやアジアの同僚とスカイプミーティング。デスクで調査、外部との連絡などをする。
17:30 帰宅。夕食の用意。
18:00 夕食。
20:00 子どもたちに本の読み聞かせ。
20:30 夫と翌日のスケジュールを調整。ときには仕事をすることもある。
23:00 就寝。
▼my favorite
●好きな映画:トム・ハンクス主演『フォレスト・ガンプ』
●愛読書:シェリル・サンドバーグ著『Lean In: Women, Work, and the Will to Lead』
家電製品会社M&A責任者
1982年、ハルムスタッド生まれ。ストックホルムビジネススクール修了。「バークレイズ・キャピタル」で北欧地域投資チームに所属後、投資アドバイザーを経て、2017年より現職。
撮影=Jukka Isokoski、Antero Lynne、David Fuentes