“フリーランス・マネジャー”が次の目標。未経験の業界に挑戦したい
世界でも一、二を争うイギリスの航空エンジン会社で、プロジェクトマネジャーを任されているヘザー・ステイプルトンさん。本来の所属先はドイツ系企業のエネルギー部門で、両社の業務契約に基づき、クライアントである航空エンジン会社のオフィスで働いているのだ。
ヘザーさんが暮らすイギリス中部は18世紀の産業革命発祥の地。今でも大小の製造業の本拠地となっている。学生時代にビジネス学を専攻していたとき、早く実務経験を身につけたいという思いで、在学中にエネルギー業界の会社に就職し事務職に就いた。その後夜間部に編入してグレード(※)を取得後、社内公募を利用し専門職となる。そして、現在籍を置くドイツ系企業に転職、4~20人のグループからなるプロジェクトのマネジャーにステップアップした。
「一緒に暮らすパートナーは、元同僚なので仕事の理解を得やすいのがいいですね」とヘザーさん。彼は毎週火曜から木曜は出張しているので、その期間はそれぞれ仕事に没頭。週末を含む4日間をともに過ごすという生活は、メリハリがきいている。
18年、上級マネジャーの職を得て、さらに責任あるポジションに。しかし、彼女の心を沸き立たせているのは、異なる分野の業界にチャレンジすること。これまでの仕事で得てきた知識、スキル、経験を生かして、銀行や金融業界など未経験の業界に挑戦したいと考えている。
「ゆくゆくは、フリーランスのマネジャーを目指します」とも。企業や団体でプロジェクトやリサーチのために期間契約で雇用される職で、パートナーもフリーのマネジャーとして働いている。業界を超えて働くことができ、正社員と比べて収入が飛躍的にアップするケースが多い。実力で勝負する世界だが、いつでもたゆまぬ努力と研さんを続けてきた彼女だから、その夢がかなうのも遠くないだろう。
週3回はジムに行き、サーキット運動や重量挙げなどのパーソナルトレーナーのアドバイスを受けている。走るのも好きでハーフマラソンに何度か挑戦。「体力づくりも仕事のうち」というヘザーさん。健康だからこそ、いい仕事ができるのだ。
※より専門的に学ぶことで得られる、進学や就職に必要な資格。学位とは異なる。
6:00 起床。
6:30 朝食。
7:00 クライアントのオフィスへ車で向かう。
8:00 顧客や同僚とミーティング。
12:00 同僚と昼食。
13:00 ミーティング、メールチェック。
18:00 退社。
19:00 ジムのクラスに行くかジョギング。
20:30 帰宅。パートナーが作った料理で夕食。
21:00 読書、個人メールのチェックなど。
22:00 就寝。
▼my favorite
●好きな映画→マット・デイモン主演『グッド・ウィル・ハンティング』
多国籍企業上級マネジャー
1975年、ノッティンガム生まれ。地元のカレッジでビジネス学を専攻中に、エネルギー関連会社に就職、夜間部に移って勉強を続け、一般職から専門職に。2018年より現職。
撮影=村松史郎、James Pickersgill