男性社員の育休取得率は100%
【白河】今後は女性だけでなく「男性の両立支援」も課題です。女性社員だけでなく、男性社員についても制度などを検討されるわけですか?
【中田】男女の区別なく、ワーク・ライフ・バランスの施策について検討していきます。もちろん、男性社員の育児休職も含まれますね。
【白河】男性の育児休職は、100%の取得率ですね。これまで男性が育児で休む習慣がなかったから、初めはかなりプッシュしたのでしょうか。
【中田】初めはプッシュしましたけど、現在の取得率は100%ですから、もう男性が育児休職を取ることはごく自然になりました。1年近く取得したケースもあります。ただ、現状ではまだまだ取得日数が多くない。法定では最長1年ですけど、当グループは最長3年取得できる。もっと長く休んでもらうことが今後の課題です。
親の長寿祝い休暇まで! 休みやすい仕組み
【白河】育児に深くかかわるのは男性にとってもプラスだと思いますが、女性にとっても子育て、キャリアの両面で大きな効果があります。何よりも同じ社内のライバルである男性も「育児で働き方を変える」ことが、フェアな環境支援になりますね。
【中田】育休のほかにも、年次有給休暇のなかでいろいろな休暇制度を設けています。例えば「キッズセレモニー休暇」とか「親の長寿祝い休暇」とか。
【白河】たしかに、目的がわかる名称のほうが、休暇が取得しやすそうです。
【中田】誰も「何のために休むんだ」とは聞かないですからね。「今度キッズセレモニー休暇を取ります」と申請すれば、それで終わりです。
【白河】そのように小さな壁を少しずつ壊していくことで、ワーク・ライフ・バランスの実現が広がっていくように思います。環境整備ができれば、あとは時間が解決してくれるところもある一方で、次々と新しい施策を打っていかれる姿勢もよくわかりました。
大和証券グループ本社 社長兼CEO
1960年、東京都生まれ。83年早稲田大学政治経済学部卒業後、大和証券へ入社。2007年大和証券グループ本社執行役。09年取締役兼執行役、12年大和証券専務取締役法人本部長、16年副社長を経て、17年4月より現職。
構成=Top Communication