売れっ子はVTuberは120歳

ここで、「燦鳥ノム」のプロフィールを簡単にご紹介しましょう。

年齢は、意外にも120歳。これはサントリーが今年、創業120周年に当たることに由来します。また、名前に「サントリー(燦鳥(さんとり))」と「(飲料を)飲む(ノム)」を入れ、顧客が彼女の活動を見聞きするたび、サントリーを想起するようにしたそうです。

出身は、水の国。趣味は「短歌」で、特技は「歌うこと」。YouTubeの「SUNTORY NOMU CHANNEL(サントリー ノムチャンネル)」でも、透明感のある美声で何曲もの歌を披露しています。

サントリーコミュニケーションズ・宣伝部 デジタルグループの前田真太郎さんによると、キャラクター作りでは「『水』をイメージできる透明感が感じられ、丁寧に上品にしゃべるなど、大人っぽさを醸し出すことを意識した」とのこと。著名なキャラクターデザイナー(ヤスダスズヒトさん)に、デザインを依頼したことで「あのヤスダさんが描き下ろした!」など、早くからSNSでも話題になりました。

SNSの訴求力が弱まったことが課題だった

前田さんが所属する宣伝部では、サントリー発の企業やブランドに関するメッセージを「デジタル」でどう伝えるかが課題だったそうです。

というのも、「以前は自社のホームページやSNSアカウントを通じて、ある程度企業が伝えたいメッセージをリーチさせることができたのですが……」と前田さん。でも昨今は、SNSプラットフォームのアルゴリズム変更等に伴い、企業からのメッセージが顧客に届きづらくなっていると言います。

「たとえフォロワー数やともだち数が多くても、お客さまに企業や商品のメッセージがキチンと伝わっているとは言い切れない」とのこと。

そんな中で、人格を持ったVTuberがひとたび多くの顧客に認知され、受け容れられれば、顧客個人との大きな接点が作れる。ノムを愛し、応援する人たちが、サントリー商品の根強いファンになってくれる可能性も高い。

中には、次のような熱烈なファンもいると言います。