今まで以上に税や社会保険の知識が必要に
では、どうする? といったときに、専門家しか発言できない状況も改正を遅らせる要因の一つではないかと思います。
よく負担増を嫌う有権者の顔色をうかがって、政治家はなかなか改革に踏み出せないといわれます。確かにそうした面も否めないと思うのですが、いつまでそんなことを言っていられるでしょうか。結局、改革が遅れて、より困難な状況になったとき、「(改革に動けなかった)政治家を選んだ国民も悪い」と自己責任論を突き付けられてしまいます。
自己責任論を突き付けられる前に、私たちが税や社会保険の制度を知る機会があまりになさすぎます。
“なんか気が付いたら、天引きされている社会保険料が増えていた”
“その前に社会保険料って、よく分からないし”
といった状況で、後々自己責任論を突き付けられるのも、どうも納得がいかないのは私だけでしょうか。私も家計コンサルタントとして活動することがなければ、ここまで知ることはなかったでしょう。
そんなことばかり言っていても、すぐに状況が改善するわけでもありませんし、少子高齢化は待ったナシです。できることを考えなくてはなりません。
月並みですが、やはり一人ひとりが税・社会保険に関心を持つことと、しばらく続くであろう負担増に耐えられるよう家計防衛をしておくことが、いままで以上に大事になってくるのだと思います。
写真=iStock.com