貯蓄への意識は500万~700万円未満が最も高い

口座に残ったお金=貯蓄したお金、という人も多いと思うが、「支払い用」と「貯蓄用」の口座を分けたほうが確実に貯められる。年収500万~700万円未満では約60%が口座を分けており、「貯めることへの意識が高いと思います」(田辺さん)。

イラスト=ヤマグチカヨ

国はクレジットカードや電子マネーの利用によって現金払いの比率を抑える「キャッシュレス化」を推奨している。これには会計ミスの防止や、キャッシュレスに慣れている外国人観光客の需要を取り込むといった目的がある。

「おサイフケータイ」などの支払い系アプリを利用している人は、年収700万円以上を境に多くなり、複数のアプリを使用している人も。年収増加とともにデジタルリテラシーが高くなる傾向が見てとれる。

また、年収700万円以上では約44%がクレジットカードを4枚以上保有。キャッシュレス化が進んでいると考えられる。

「アプリで支払いができる場面が増える一方で、銀行のATMは統廃合が進む可能性も。少しずつ、キャッシュレスに慣れていくといいかもしれません」(田辺さん)

▼普段の買い物での支払い方法は?
最も多かったのは「クレジットカード」で、全体の約82%。次いで「現金」が約76%。「電子マネー」は約42%と半数に届いていない。年収700万~1000万円未満では電子マネーが約48%など、年収が高い人ほど、キャッシュレス化が進んでいる様子がうかがえる。
▼クレジットカードは何枚持っている?
全体では4枚以上、2枚、3枚、1枚の順。年収700万円以上では4枚以上が多く、1000万円以上では約44%が4枚以上保有。ステータスのひとつと考えているのかも。ポイント還元率が高い、特典があるカード(デパート系など)の2枚程度に絞り、年会費にも注意。

しっかり貯蓄できているか、自身の貯蓄割合をチェック

年収300万円以上になると手取り給与の「1~3割未満」以上を貯蓄している人が増える。年収700万~1000万円未満では「3~5割未満」が約26%、「5割以上」も約13%いる。一方、「1割未満」という回答も多く、「年収300万円未満で1人暮らしなどを除けば、1割未満は少ない。また家族形態別では、一番貯めやすいディンクスの貯蓄率がやや低いといえます。ファミリーは共働き中や子どもの教育費が膨らむ前が貯めるチャンス。貯蓄率を高めると将来がラクに」(田辺さん)。

では、どのくらいを貯蓄や投資に回せばいいのだろうか。