若者の本音を紹介するこの連載。今回は「恋愛」をテーマに、高校生&大学生5人を集めて座談会を開催しました。彼らにとって、告白や別れは直接ではなくLINEが当たり前。デート消費もSNSの影響で様変わりしています。4、5年後には彼らが職場にやってくること、そして今後消費の中核を担うようになることを考えると、若者のコミュニケーションスタイルや消費動向を知り、視野を広げておく必要があります。司会と解説は、若者の消費動向を追いかけているサイバーエージェント次世代研究所・所長の原田曜平さんです。
座談会メンバー
Aさん 早稲田大学2年生。まだ恋愛をしたことがない。趣味は食べることとYouTubeを見ること。女性
Bさん 地方の大学4年生。現在彼氏はいないが、片思い中。趣味は音楽鑑賞と、SNSで美容アカウントをチェックすること。女性
Cさん 青山学院大学4年生。交際4年目になる彼氏がいる。趣味はネットフリックスで韓国ドラマやアニメを観ること。女性
Dくん 慶應大学大学院1年生。現在彼女はいない。大学で、オールラウンドサークルと野球サークルに所属。趣味は映画鑑賞。男性
Eさん 高校3年生。彼氏あり。企業のインターンなどに積極的に参加中。女性

今どきの別れ方「LINEで告げて直後にブロック」

【原田】Bさんは、まだ元彼と付き合っていた頃に別の人を好きになって、その人といい感じとのことだけど、アプローチはどちらから?

※写真はイメージです(写真=iStock.com/kokouu)

【Bさん】向こうからです。こんな気持ちのまま、そのときの彼とは付き合っていけないと思って別れました。

【原田】略奪愛なんて、今どきの草食男子っぽくなくて、昔以上にスリリングになっているのかもしれないね(笑)。ちなみに、元彼は泣いてた?

【Bさん】LINEで別れを伝えてすぐブロックしたのでわかりません。

【一同】えぇっ!

【原田】すごいっ! 今はLINEで別れる、というケースが出てきているんだ。この前、企業で管理職をやっている高校の同級生たちと飲んだんだけど、「最近の若い社員は、欠席をLINEで連絡してくる。ありえない!」と憤っていました。しかし、会社の欠席なんかよりもっと重い、別れまでLINEでやり取りしているんだから、たかが欠席の連絡くらいLINEでやるのは当たり前だよ、彼らの感覚では、って話をしてあげないといけないね(笑)。ちなみに、今の好きな人は、まだ彼女と交際中なんだよね。「別れて」とは言わないの?

【Bさん】言えないですよ~。彼はかなり遠くに住んでいるから。遠距離恋愛なんて現実的じゃないですし。重い女と思われるのもイヤなので。

浪人生同士の絆、強まる

【Cさん】私は今まで付き合った人は2人。はじめて彼氏ができたのが中学1年生の時。その後別れて、今は浪人時代に予備校で知り合った人と付き合っています。共通の友達に紹介され、一緒に勉強するようになり、告白されました。私は恋愛経験が決して多いほうではありませんが、その彼氏とは3年半ほど続いています。

【原田】お、予備校恋愛、いいねー。僕も浪人したけど、全く恋愛なんて発想もなく、ただただ苦しい思い出しかないけど(苦笑)。でもさ、僕の浪人時代の90年代は全国の大学生のうち約3人に1人が浪人生だったんだけど、今はたったの約5人に1人に大激減しているんだよね。理由は、少子化なのに大学がずっと増え続けたこともあるし、今は半数近くがAO入試と推薦入試で、浪人せずに大学に入るようになっている、ということもある。

いずれにせよ、浪人生活自体が昔に比べるとかなりマイナーな行為になっているので、浪人生同士の恋愛は、昔より絆が固くなりやすく、また、盛り上がりやすくなっている可能性があるね。

しかし、君の年齢で3年半のお付き合い期間は相当長い部類に入るんじゃないかしら。それだけ長いと今の相手と結婚してもいいと思っている?

【Cさん】はい、私の価値観を良いと言ってくれるので、結婚してもいいですね。最初は彼の賢いところに惹かれました。本当に勉強ができる人なので。

【原田】確か一橋大学だったよね、彼氏。

【Cさん】はい。勉強はとてもできる人なんですけど、ルーズで片付けが苦手だし、時間を守らないこともある。そこらへんはあまり気にしていませんが。

【原田】なんか、私生活はだらしないけど、仕事だけはしっかりやる昭和型の無頼なビジネスマンみたいなイメージの彼氏だね。やっぱり、引っ張るとか、仕事ができるとか、「たくましさ」を感じることができる男性は、若者女子の間で希少価値が高まっているのかな。