地方では「イオンデート」も人気

【Bさん】私が住んでいる地域には、おしゃれなカフェと雑貨屋さんが並んでいる街や、レトロな街があって、インスタ映えするのでそこに行きます。最近だと、ストロベリーボンボンやフルーツパフェを食べました。あとは、イオンでのデートをする子も多いですね。

【原田】東京ほどスポットとしては多くはないかもしれないけど、やっぱり、地方も「インスタ映えデート」が当たり前になってきているんだね。

それと恐らくこの15年間くらいは、全国でイオンなどの大型ショッピングモールが増えていったので、それに伴って若者のデートの定番スポットの一つに「ショッピングモールデート」や「イオンデート」が入ってきたのは間違いない。他の次世代研の地方出身学生もそう証言しています。まずは熊本出身の女子学生の意見。

「やっぱりインスタ映えデートは地方でも一般的だと思います。高校生までは上通り、下通りという名のついたアーケード街や熊本城や熊本城の麓にある城彩苑という食べ物の露店が集まっている場所が一般的なデートスポットです。大学生になると、阿蘇山に登った様子や食べたもの、体験したこと(イチゴ狩りや温泉で浴衣を着た姿など)をインスタに上げています」

茨城出身の女子大生も口をそろえます。

「私の地元でもインスタ映えデートが多いです。高校生はショッピングモールデートやカラオケやボウリングなどのアミューズメントパークデート、大学生は最近ネモフィラで話題にもなっている国営ひたち海浜公園や偕楽園でのデートをアップしていることが多いですね」

そして、これまた茨城出身の女子大生の意見。

「夜、車で筑波山に登り、山頂から夜景を見渡すストーリーをアップしているのをよく見かけます。それと彼氏の試合観戦も多いです。彼氏のユニフォーム、帽子、タオルを着用して写真を撮ることが一種のステータスになっていました」

「宅デート」でも映え重視

【Aさん】私は付き合ったことがないので友達の話ですが、家でデートをしているみたいです。彼女がご飯を作って食べて、テレビを見て……という低予算のデート。インスタ映えする手作り料理を振る舞っているようです。

【原田】確かに「宅デート」や「宅飲み」もこの10年くらいで普及した言葉だね。今の若者たちはあまりお金も使わなくなっているし、のんびり派も多くなっているから、低予算でまったりできる「宅デート」は定番になってきているわけだ。でも、宅デートでさえ、インスタ映えを狙っているという事実がめっちゃ面白いね(笑)。

でもさ、宅デートでも結局は毎回女性が料理を作るケースが多いんじゃない? それって女子は面倒で嫌じゃないのかな? 君ら世代でさえ、まだ料理ができる男性って本当に少数派だからね。

【Eさん】男子で料理が作れる人は本当に少数派ですね。例えば、親がたまたまお弁当を作れない日は、自分で作るのではなく、学食かコンビニ弁当の男子が圧倒的多数だと思います。

ただ、ホワイトデーに限定して、彼女に手作りをする男子は結構増えていると思います。また、料理を作った男子はほぼ必ずインスタのストーリーに上げていますね。

【Cさん】私も「宅デート」はしますけど、ご飯は外に食べに行っちゃいますね。帰って来てからはHULUやネットフリックスを一緒に自宅で観て過ごします。私は料理はしていないかもしれない。

【原田】確かに「宅デート」って言っても、昭和の宅デートとはわけが違って、そもそも宅で過ごすのが超快適になってきているからね。昭和の汚い下宿と違って、今は「リノベーション」なども低コストで簡単にできるから、ある程度きれいな賃貸住宅が多いし、エアコンなども完備されているところが多い。

また、若者の家には大体Wi-Fi環境が整っているから、ネットフリックスなどが見られるし、お腹がすいたら外に出なくても、東京、大阪、名古屋であれば、ウーバーイーツもデリバリーで使えるようになった。昭和に比べると部屋にいるのが超快適になっているもんね。そりゃ、デート場所として自宅が選ばれるようになるわ。

さて、次回は、カップルでのSNSの使い方について、もっと詳しく聞いていきたいと思っています。

構成=梶塚美帆 写真=iStock.com