恋愛離れの理由7 昭和・平成型の“男らしい男”が減少

【Bさん】私は、今まで付き合った人数は3人。はじめて彼氏ができたのは中学1年生の時です。高校の時に二人目の彼氏と付き合って別れ、最近まで交際していた彼氏は、私のほうに好きな人ができたので振りました。

【原田】きっと大学生ということを考えると平均的な恋愛経験なんだろうね。今の好きな人はどんなところが好きになったの?

【Bさん】尊敬できるところです。彼は大学で野球サークルに入っていて、頑張って活動しているところがかっこよかったんです。二人で出かけるときはいつも行く場所を調べて決めてくれるし、しっかりしています。一方で、別れた彼氏のことは全然尊敬していませんでした。デートの時は全部私任せで、全く引っ張ってくれませんでした。

【原田】僕も20年間、若者研究をしていて年々感じていますが、女性を引っ張っていく昭和・平成型の男らしい男は、君たち令和世代の中では本当に少なくなってきているよね。

 少なくとも今から20年前頃までは、男女関係で男性が引っ張る、というのは当たり前のことでした。本当は引っ張るのが得意でない男性でも、社会からそう強要されていたと思います。

しかし、今は男性のほうが引っ張らないといけない、という感覚も若者の間で少なくなってきているし、事実として、自ら引っ張る男性も少なくなってきています。

どうして告白してくれないのか、どうしてプロポーズしてくれないのかと男性にヤキモキする女性が、昔以上に多くなってきている感覚があり、年々こうした恋愛相談を受ける件数が増えています。

今、ネットフリックスやフジテレビの深夜にやっている「あいのり Asian Journey」(2018年)は、1999年の放送開始直後の「あいのり」(フジテレビ)と比べると、男性から女性の告白シーンが大幅に減っていて、女性からの告白が多くなっています。また、男性が男同士の関係を最重要視し、男同士でお肌の手入れや眉毛の手入ればっかりしていて、恋愛する意欲が感じられないと、ある女性メンバーがぶち切れるシーンもあるくらいです(笑)。

こうした状況下、引っ張るタイプの男性が今の若者の中にいると、同世代の女性たちから希少価値があるとしてえらく高く評価されるようになっていると思います。

男尊女卑の感覚が今の若者より強かったものの、事実として引っ張ってくれていた昭和・平成型の男性。男女平等の感覚が強くなり、優しくなっているけど、どこか頼りない令和型の男性。どちらが女性にとって理想の男性像に近いんだろう?

昭和・平成型の男性が減り、令和型の男性が増えている中、少なくとも過去より若者が恋愛や結婚がしにくくなってしまっていることは事実です。

さて、次回は若者のデート事情について聞いていきます。

構成=梶塚美帆