売り上げアップや残業時間削減にも効果アリ

蓑口さんが自身の経験から導き出したコツは、具体的で納得できるものばかり。正直、研修に参加する前は、クラウドソーシングを活用できるのはごく限られた人だけだと思い込んでいた。しかし研修を終えて、その活用範囲は非常に広く、外注して当然という時代がすぐそこまで来ていること、受注者の「働きたい」という気持ちに応える良策でもあることを実感できた。

広報マネージャー/IR担当 髙野比呂史さん 業務の一部を外注することで、少人数でも広報対応が可能に。

広報マネージャーの髙野さんは「もともと当社のクラウドソーシングは、社員がコア業務に特化するために始まったものでした。義務化には抵抗の声もありましたが、研修を重ねて習慣化に成功した今では、売り上げアップや離職率の低下、残業削減など多くの成果が出ています」と語る。

自身も、プレスリリースのレイアウトなど広報業務の一部を外注。以前は業務に追われてパンク気味だったのが、最近では戦略立案などのコア業務に集中する時間ができ、モチベーションも向上しているという。

コミュニティを広げ小さな企業も大きな成果を

ガイアックスの成功例は、他の企業にも参考になるのではないだろうか。クラウドソーシングは、外部スタッフとの協働を始めるきっかけになる。従来は社内限定だったコミュニティが社外にも広がれば、社員数が少ない企業も大きな成果を出すことが可能だ。同社がこの研修を社外公開しているのは、そうした企業を応援し、ともに成長したいという意思の表れでもある。

「自分たちの競争力はどこにあるのかを考えれば、何をコア業務にして何を外注するかは自然に見えてくるはず。また、外注するのは自分のプロジェクトをひとつ動かすようなものなので、プロジェクトマネジメントのスキルも伸ばせると思います。興味がある人はぜひ研修に参加して、実践していただきたいですね」

同社の研修プログラムには、参加者が自らの事業アイデアを発表するものもある。社外の人も参加可能で、高い評価を得たアイデアには事業資金のサポートも。研修はいずれも少人数で行われ、実践的な内容であることから参加者の満足度も高い。業務や起業のヒントを求めている人は、オフィシャルサイトで開催情報をチェックしてみては。