幅広くインターネット関連事業を展開するガイアックス。社を挙げてアウトソーシングを推進中で、月5万円の外注費を使うよう義務付けしている部署も。社内研修のひとつ「クラウドソーシング活用研修」は、上手な外注の仕方を学ぶもので外部公開を行っている。先進的な働き方で成功した企業の外注活用術とは?

売り上げは2年で400%アップ! 離職率も低下

ガイアックスでは、社員の複業やパラレルキャリア、フリーランスと協働する「クラウドソーシング」などを積極的に進めている。特にクラウドソーシングについては実践が進んでおり、各社員に月5万円以上の外注費を使うよう義務づけている部署も。この戦略は大きな成果を生み、社全体の売り上げは2年間で約400%もアップしたという。忙しすぎて高止まりしていた離職率も外注が進んで重要な仕事に集中できるようになったことで大幅に改善している。

ガイアックスの「クラウドソーシング活用研修」の様子

とはいえ、クラウドソーシングにはさまざまな不安がつきまとう。信頼できる外注先を見つけられるのか、どんな手順で依頼すればいいのか、相場はどのぐらいなのか──。そんな不安を解消してくれるのが、ガイアックスのクラウドソーシング活用研修だ。同社では、社内のリーダー育成研修「ワークシフト・スクール」を社外公開しており、そのなかでクラウドソーシングやITデバイス活用など多彩な研修を実施している。

3月に行われたクラウドソーシング活用研修をのぞいてみた。講師は、ガイアックスとランサーズで“ダブル正社員”として働く蓑口恵美さん。過疎化に悩む地域の仕事創出・活性化をライフワークにしており、業務のほか私生活でもクラウドソーシングをフル活用している。

講師の蓑口さん「仕事の9割は外注できる」

「今、社会は働き手がいない時代に突入しています。この波は地方だけでなく、近い将来必ず全国に広がっていく。一方で、クラウドソーシング上の人材登録数は年々増え続けています。自分の目標や夢を達成したい人は、必要な人材にアクセスできるスキルを今から身につけておきましょう」

蓑口さんは、仕事の9割は外注できると断言する。例として「ランサーズ」のクラウドソーシングサイトをスライドで映し出し、ライティングやデザインのほか、日々の資料作成、経費精算まで、ほとんどの分野に受注を待つ登録者がいると紹介。サイトは初めての人にもわかりやすいように作られており、「これなら私でも外注できるかも」と思える構成だった。