税金や社会保険料が引かれる

意外と見落としがちだが、年金の見込み額を知るうえで注意したいのは、支給額=手取り額ではない、ということだ。

年金も一定の額を超えると所得税や住民税がかかるし、社会保険料(健康保険料や介護保険料)もかかる。税金は別途、納めることになるが、社会保険料は原則、年金から差し引かれ、残った額が支給される。税や社会保険料の額は年金の支給額などによって異なるが、おおよそ1割、収入が多い場合は2割近くになる場合もある。また健康保険料や介護保険料は今後、上昇する可能性もあり、2割減に近づく人が増えると考えられる。支給額15万円で2割減なら、手取りは12万円だ。決して小さくないので、しっかり頭に入れておきたい。

企業年金の有無や内容も確認

会社によっては企業年金の制度を設けているところもある。企業年金とは退職金の一部を年金の形で受け取るもので、制度の内容は会社によって異なる。

大きく分けると、会社が従業員と給付の内容が確定している確定給付型というタイプ(確定給付企業年金や厚生年金基金)と、企業が資金を拠出し、従業員が運用商品を選んで、その運用益によって給付額が決まる確定拠出型というタイプ(企業型確定拠出年金)がある。
厚生年金保険に加入している会社員は3911万人で、そのうち、確定給付型のタイプの企業年金があるのは958万人、確定拠出型は648万人となっている(平成30年3月末現在)。

自身の勤務先に企業年金の制度があるか、それはどのようなタイプで、給付額はどのくらいかは意外と知らない人が多い。老後が心配なのに、「どれくらい年金があるのかを把握していない」というのでは不安が解消されない。勤務先の制度を確認してみよう。

年金の見込み額を知ることによって、自身でどの程度、老後資金づくりをすればいいかが見えてくる。まずは見込み額を把握し、税優遇を受けながら老後資金づくりができるiDeCo(個人型確定拠出年金)などを検討しよう。

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