年金をいくらもらえるか知ってる?
「老後が不安」という人や、「年金では足りない」と考える人は多いが、どれくらい年金が出るかを把握している人はほとんどいない。老後資金は、年金で足りない分を自分でつくる、というのが基本的な考え方であり、年金の額は老後資金を準備するうえで重要な道標となる。受給開始直前にならないと正確な額は分からないが、30代、40代でも、もっと若くても、年金額についておおよその目安を知ることはできる。
まず、年金の基礎をおさらいしておこう。
年金は働き方などによって種類が異なり、自営やフリーランスは国民年金、会社員や公務員は国民年金+厚生年金の2階建てになっている。国民年金は保険料が一律で、加入期間(保険料を納めている期間や保険料を免除されている期間の合計)の長さだけで支給額が決まるが、厚生年金は収入によって保険料が異なるため、支給額は加入期間と平均年収によって決まってくる。
そして、将来受け取れる年金額については、「ねんきん定期便」を確認しよう。
ねんきん定期便は20歳以上の人に対し、毎年、本人の誕生月に送られるもの。通常は葉書、35歳、45歳、59歳の誕生月には、加入記録など詳細が記載され、封書で届く。
仕事でご一緒する方々やセミナーなどでお話しすると、「?」という表情をする人も少なくないが、毎年届いているはずなので、しっかり確認してほしい。「届いているけれど、どう見ればいいか分からない」という人も多いので、ポイントをおさえておこう。
ねんきん定期便の見方
ねんきん定期便は、50歳以上と、50歳未満とで内容が大きく異なる。
50歳以上の人のねんきん定期便には、そのまま60歳まで勤めた(保険料を払い続けた)場合の年金見込み額が記載されている。
あくまで見込み額であり、年収が大きく変わった場合などは記載の額より多くなる。
一方、50歳未満の人に届くねんきん定期便には、これまでの加入実績に基づく年金見込み額が記載されている。今まで納めた保険料でもらえる額、であり、今後、納めるはずの保険料の分は含まれていない。
今後も保険料を納めていくことになるので、ねんきん定期便に記載された額より支給額は増えるが、どのくらい増えるかは、あと何年加入するか、どう働くか(会社員か、自営か)などによって異なる。とくに厚生年金の額は加入期間と平均年収によって決まるため、30代、40代で正確な見込み額を算出するのは難しい。