人に相談することで解決の糸口が見えてくることも

では、相談者さんの場合は誰と話せばいいのでしょうか。私がまずおすすめしたいのは、「2人以上の尊敬している先輩」です。勤務歴が3年から5年先輩の人と、10年ほど上の人の2人にメンターとして話を聞いてもらうのです。半年に一度など定期的に機会を持つことで、一緒に伴走してもらうような信頼関係もできるとより良いと思います。

まずは、誰にどう相談するか考えてみてください。「誰に」を考えれば自分の目指す理想像が見えてきますし、「どう話すか」を考えれば、聞いてもらう為に自分の中である程度、論点が整理され、半分くらいは自分で答えが見えてきます。その上で、先行く先輩のアドバイスが心に響くとモチベーションが高まると思います。

私もよく相談を受けますが、みんな自分の頭の中に何かしら答えがある場合が多いように感じます。でもその答えに自信が持てなかったり、頭が整理できていないだけ、ということもあるのではないでしょうか。相談しているうちに頭が整理され、ご自身の中に引っかかっていたことが見えてくれば、解決はもう目の前です。悩んでいる時は、この一連の動きを実行することが大切です。

当事者である上司にも思い切って相談を

次におすすめしたいのは「当事者である上司」です。上司の厳しい指摘やたびたびの確認で自信を失いつつあるそうですから、本人と話すのは勇気がいるかもしれません。でも、上司は自分の言葉で相談者さんが悩んでいることに気づいていないのかも。普段ほとんど会う機会がないのなら、表情や雰囲気から感じとることも難しいでしょう。

愚痴や不満の形ではなく、「最近ミスが多くて、○○さんにもご迷惑をおかけすることが増えているので改善したいんです」とアドバイスを求めれば、一緒に解決策を探っていける可能性は高いと思います。細かい事に気が付く上司は考えようによっては有難いので、懐に飛び込んでみる事もいいと思います。

ただし、こうした話はメールでは伝わりにくいので、電話か、できれば直接会って相談を。メールは決定事項を知らせるのには便利ですが、気持ちを伝えるのには不向きです。電話や対面での相談は、相談者さんの強みのひとつ、コミュニケーション力を発揮するチャンスにもなるのではないでしょうか。