期待に応えようとがんばってきたのに、最近はミスを指摘されてばかり。挽回のチャンスもなくモチベーションは下がりっぱなし──。ロート製薬取締役の力石正子さんも、過去に何度も「もう最悪!」と思ったことがあるそう。現状を打破する手立てや、意欲を維持するコツを教えてもらいました。
◆今回のお悩み
上司の厳しい指摘でモチベーションが下がっています
 昨年夏に転職して約半年が経過しました。勤務先は外資系コンサルティング企業で、上司と私を含む3名でアシスタントをしています。上司は月に1~2回しか会う機会がなく、基本的にメールや電話の指示のみです。
 私の担当は、経費精算、スケジュール管理、接待・航空券の手配予約などのアシスタント業務に加え、採用、マーケティングなども含むマルチタスク業務です。私には、コミュニケーション力と自発的に柔軟に動けるという強みがありますが、大雑把でツメが甘いという弱みもあります。
 当初、期待値がかなり高かったのはありがたかったのですが、上司がとても細かくしっかりした人のため、ミスが続いた際に私のメールや電話でのコミュニケーションがわかりづらいという指摘が出始め、何をするにもたびたび確認が入る状態が続いています。私の弱みが悪目立ちしてしまい、信用を失いつつある気がします。
 弱みをカバーしようとすると、業務をこなすのに時間がかかり、行動力や柔軟性が極度に落ちてしまいます。たびたびの指摘で自信を失いつつあり、強みを発揮する機会すら見つけづらく、モチベーションが保てなくなっています。意欲を維持するには、どんな行動や考え方が必要なのでしょうか。(43歳・コンサルティングアシスタント)

働く女性にとって大切なのは「回復力」

上司の厳しい指摘に、心が折れそうになっているのだろうと思います。仕事を長く続けていれば、当然モチベーションが下がる時期もあり、私も相談者さんと同じように思ったことが何度もありました。それでもなんとか乗り越えてこられたのは、楽観的な性格のおかげかもしれません。

※写真はイメージです(写真=iStock.com/JohnnyGreig)

ただ、悩んでいる最中に楽観的になれと言われても、なかなかそうはいかないもの。私は、周りに自信を失くしかけている部下がいたら、「折れない心」という考え方があることを伝えています。折れないというのは、タフになれということではありません。つらいことがあっても回復できる、柔らかくしなやかな心のことです。

「柳に雪折れなし」という言葉があるように、柔らかくしなやかなものは、堅いものよりかえってよく持ちこたえることができます。私は、仕事を続けていく上ではこうした回復力が一番大事だと思っています。つらいことや嫌なことはどうしても起こります。でも、そこで折れてしまったら終わり。一度頭を空にして、「まだまだ行ける」と思える楽観性を取り戻すことを目指してみてはどうでしょうか。

私は、回復が必要なときは人と話すようにしています。1人で考え込んでいてもマイナス思考になりがちで、回復の糸口もなかなか見えてきません。人に話すことで頭が整理できて、自然と答えが見えてくることが多いですね。