2000年代に入ると、均等法第1世代の女性たちが企業の重要部門を担い、活躍が目立つように。すると、「30代・非婚・子なし」を“負け犬”と定義するブームが起こる。該当するのは第1世代の女性たち。
「責任も大きくなり、ますます仕事が楽しくなってきた30歳の頃、当時お付き合いしていた男性に『俺と仕事とどっちが大事?』と詰め寄られました。それで、私は仕事を取りましたけど(笑)」(梅田さん)
女性負担は変らず共働きに
05年、合計特殊出生率が過去最低の1.26に。同年の平均初婚年齢は男29.8歳/女28歳、第1子出生時の母の平均年齢は29.1歳となり、晩婚化・少子化傾向はますます進んだ。しかしこの頃は、仕事と家庭を両立するためのサポート体制が今ほど整っておらず、女性は常に選択を迫られていた。“男は外で働き、女は家庭を守る”は専業主婦志向の「昭和型夫婦」だが、時代が変わり「平成型夫婦」となっても昭和的思考を引きずり、女性の負担は大きいまま共働き志向となっただけだった。
「MRは仕事量が多く、朝早くから卸業者と打ち合わせ、夜は診療が終わってから医師と面談。仕事と家庭の両立は難しく、同期20人のうち、残っているのは6人。でも、今思えば、私たちの考え方も昭和的で男性的でした。男性と同じように働こうと思っていましたから。ただ、女性には好不調のリズムがある。人によっては生理や更年期症状など女性特有の健康問題でキャリアを諦める人も少なくありません。女性の労働生産性を上げるにはヘルスリテラシーを向上し、セルフケアを行っていくことが大事だと、年齢を重ねた今気づいたんです」(西山さん)
オリンピックのすべての競技で女子種目が設けられたのは12年のロンドン大会からだが、それに先駆け、04年のアテネ大会で日本人女性の金メダル獲得数が男性を上回るようになった。その理由のひとつとして、女性の生理を科学し、ピルでコントロールするなど、体調管理を始めたことが挙げられる。