人事部はあなたのフェイスブックのここを見ている

3.レファレンスチェック

レファレンスチェックとは、書類選考や採用面接だけではわからない求職者の人物像や、前職での仕事ぶりを確認すること。外資系企業などでは一般的に用いられている手法ですが、個人情報の観点などから日本の多くの企業では求職者の同意なしには行われることはないといわれていました。しかし、最近はレファレンスチェックのサービスを提供する会社も登場するなど、レファレンスを重視する企業が増えてきているのも事実です。

あまり大きな声ではいえませんが、採用者側は何らかの形でレファレンスチェックを行なっていると思っています。Facebookやツイッターを検索して問題のある投稿はないか、どんな人と繋がりがあるのかを見ている。採用者側の目的はリスクを軽減することなので、求職者のFacebookをのぞいてみて共通の知り合いがいたら、本当はよくないことなのですが「○○さんの仕事ぶりはどうでしたか?」と聞いてしまっている会社もあるとの噂も耳にします。

採用者側は書類や面接だけではわからない部分を確認しておきたいだけなので、プライベートな内容の投稿を残しておいても問題はありません。逆に何も投稿がなく、繋がっている人がいないほうが不自然。何か隠したいことがあるのではないかと勘ぐってしまうので、リスクを避けたい採用者側は敬遠します。ただし、Facebookはあくまでもオフィシャルな場と捉えて。転職活動の妨げになりうるような投稿は、事前に削除しておきましょう。

スキルと人脈があれば年齢は関係ない

転職できる人はすぐできるけど、転職できない人はなかなかできないという二極化が存在します。スキルや人脈がある人は、「副業でもいいからウチの仕事を手伝ってくれませんか?」と声がかかる。いかにこれまでに関わってきた仕事できちんと結果を出し、周囲の人と友好な人間関係を築けてきたかが鍵になります。転職には若い人のほうが有利だといわれた時代もありましたが、今は年齢がネックになることはほとんどないでしょう。つまりは、スキルと人脈さえあれば年齢は関係ないということです。

また、これまでは子育て中の女性の転職はハードルが高かったのですが、働き方改革が進む中、多様な働き方に理解を示す企業がかなり増えてきました。たとえ時短勤務でも、きちんと責任を持って仕事の結果を出してくれさえすればよいという考え方が浸透してきています。

高野秀敏(たかの・ひでとし)
新卒でインテリジェンスへ入社。その後、2005年にキープレイヤーズを設立し、人材エージェントとして30社以上の社外役員・アドバイザー・エンジェル投資を国内、シリコンバレー、バングラデシュで実行。3000名以上の経営者の相談と、1万名以上の個人のキャリアカウンセリングを行う。マネージャーとして、キャリアコンサルタントチームを運営・教育。人事部採用担当として、数百人の学生、社会人と面談。学校や学生団体での講演回数100回以上。

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