辞退を決めた面接での質問

Cさん:私はちょっと昔ながらのタイプかもしれませんが、AさんやBさんと違って、やりたい事で選んだ派です。最初は、大学での専攻を生かして経営に携わろうと思い、ガツガツ働けるイメージがあった外資系を中心に受けていました。それで、最終面接まで進んだ会社があったんですが、面接の時に詰められたり、「毎月、体調の変化があると思うけど、その時仕事はどうするつもり?」って聞かれたりして、想像していた雰囲気と違って、辞退してしまいました。

原田:今時珍しい会社だね。企業名公表したら間違いなく問題になるね。面接した人が独特だったのかなぁ……。

Cさん:そんなことがあったので、日系企業の就活にも本腰を入れ始めるようになりました。銀行も受けましたし、メーカー、映画会社、レジャー施設など、幅広くエントリーしました。色々受ける中で、エンタメ業界の面接が楽しかったんです。「何を話そうかな?」って考えるのもワクワクしました。子どもの頃からずっとダンスをやっていて、もともとエンタメ業界には興味がありましたし。

原田:「エンタメ」って括るとかなり幅が広いけど、その会社に決めた理由は何だったの?

Cさん:キャリアアップをした時に、マーケティングや広報などの外に向けた仕事があることに魅力を感じて、今の会社に決めました。事業展開も幅が広いので、色んな経験ができると思ったんです。

ガツガツ系の企業は内定を辞退

Dくん:僕もやりたいことで選んだ派です。まず営業をやりたかったのと、食べることが好きだったので食品業界が良いということで、今の就職先を選びました。

原田:Dくんは、食品関係の会社の長期インターンで、営業を経験しているんだよね。営業はどんなところが楽しかった?

Dくん:僕の話を通じて相手に納得してもらい、WIN-WINな関係を作るっていうのが楽しかったです。自分に向いているとも思いました。インターンでの経験を通して色々考えた結果、有形商材を売ることができる食品メーカーがいいと思い、今の会社に決めました。それから、もう一つ大事な軸として自分の中にあったのが、ワークライフバランスです。自分の父が、仕事が忙しくてあまり子育てに関わっていなかったのですが、その働き方を見て、僕は将来的に家庭にもちゃんと関わりたいと思っていました。

原田:「ワークライフバランス」という言葉と共に生きてきた君たち世代は、「仕事>家庭」という昭和・平成初期的な考えを持っている人が本当に少なくなっているよね。

でもさ、営業職だとガツガツが求められる時もあるし、時にワークライフバランスが崩れることもありそうだけど?

Dくん:ガツガツ働くのが好きで、とにかく結果を残したい社員さんが多いと聞いた会社は、内定を辞退しました。僕の就職する会社は、温厚な方が多くて、営業でもしっかり成績を残せばワークライフバランスが可能だと聞いて、決めました。結果を出すことはもちろん大切ですが、ワークライフバランスを保って長く働いていけたらいいなと思っています。

原田:確かに、ある調査によると、若い社員ほど「終身雇用が良い」と回答する人が多いんだよね。今の若者はギラギラキャリアップをしていくのではなく、ワークライフバランスを保ちながら居心地の良い会社にずっといたいと考える人が増えてきているようだね。