▼今すぐ始めたい、簡単ストレス解消法
「カフェでも公園でもいいので、ストレスを感じたときに行くと元気になれるパワースポットを見つけるのもおすすめ」という小林先生のお気に入りは、六本木ヒルズのTSUTAYA。「みんなが明るく仕事をしているのを見るとパワーをもらえます。静かじゃなくてもいいんです。自分がパワーをもらえる場所を探しましょう」
声を出して笑う
「いつもカリカリしていた患者さんがボトックスを打ったら、眉間にシワが寄らなくなって、怒る気分にならなくなったらしいんです。そうしたら旦那様やお子さんなど、周りの人の対応も自然とやさしくなって、対人関係のストレスがぐっと減ったという方がいました。笑顔は、周囲との関係性を良くしてくれますし、笑うことで免疫細胞であるナチュラルキラー細胞が活性化するという研究もあります」(中崎先生)。コメディ映画を見たり、友人との会話のなかでも、声を出して笑うことが大切だそう。「落ち込んだときでも、声を出して笑えば、自然と明るい気分になれますよ」
適度な運動
ストレス解消に一番効果的なのが、適度な運動。「オフィスで一日座ったままというのが一番良くない。私は40分座ったら、立って動くようにしています。ただし急激な運動は身体的ストレスにつながるため、階段の上り下りや、ウォーキングなど、軽く動くだけで十分。血流が良くなるため、むくみなども解消されますよ」(小林先生)
良い睡眠を取る
交感神経が優位な状態だと睡眠の質が下がり、睡眠不足へとつながって、それがさらなるストレスを生みだす。睡眠時間だけにとらわれるのではなく、ベッドや枕、照明など、睡眠環境も整えることも大切。「生活リズムが改善され、睡眠の質が高まれば、疲れも軽減されます」(中崎先生)。寝る前のパソコンやスマホ操作も交感神経を刺激し、睡眠の質を下げるので注意して。
水素を吸入する
筑波大学大学院の矢田幸博教授の研究では、水素を吸入すると指先などの末端が温まり、瞳孔が収縮するなど、副交感神経が優位な状態を示す生体反応が出ることがわかった。また、最近ではストレスに対する水素のさまざまな有用性が発表されている。今までは、水素サロンでの吸入が一般的だったが、近年は自宅用のマシンや、ポータブルタイプの水素吸入器も発売されるなど、どんどん身近で手軽になってきている。オフィスや外出先でストレスを感じたら、ササッと水素を吸って、マネジメントをするのも手。
瞑想
「副交感神経を優位にするには瞑めい想そうしてみるのもいいですね」という小林先生。リラックスできる音楽に耳を傾けながら、呼吸を深く整えて、目を閉じ、自分の内側に意識を向けてみて。「リラックスしながら、体も適度に動かせるヨガなどもおすすめです」(中崎先生)
順天堂大学医学部教授
ロンドン大学付属英国王立小児病院外科や、アイルランド国立小児病院外科などに勤務。帰国後、順天堂大学に日本初の便秘外来を設立。自律神経研究の第一人者として知られ、数多くの著書を執筆。
中崎恵美(なかざき・えみ)
emiスキンクリニック松濤 院長
東京医科大学皮膚科などに勤務の傍ら、北里東洋医学研究所病院で漢方研修を受ける。2016年、emiスキンクリニック松濤を開業。漢方や美容医療を併用した治療で患者からの信頼も篤い。