自律神経の乱れをリセットし、1日を気持ちよく終えるにはどうすればよいのか。順天堂大学医学部の小林弘幸教授は「おすすめの方法は、毎日寝る前に『3行日記』をつけること。たった3行の簡単なものだが、頭の中がすっきりと整理され、心に余裕が生まれる。続けることで自律神経も整う」という――。

※本稿は、小林弘幸『なんとなくだるい、疲れやすいを解消する! 自律神経について小林弘幸先生に聞いてみた』の一部を再編集したものです。

夜は「ぬるめのお湯に15分」を目安に

Q:お風呂でも自律神経は整いますか?
お答えしましょう!

適切な入浴は自律神経のバランスを整えて睡眠の質や代謝のレベルもアップさせます。
また、健康寿命を延ばす効果も期待できます。

入浴は副交感神経を活性化するだけではなく、朝であればぐっすり眠ったあとの体をシャキッとさせ、交感神経に切り替えるきっかけに活用することもできます。

夜におすすめなのは、39~40度のぬるめのお湯に15分間ゆっくりと浸かることです。最初の5分は首まで浸かり、残りの10分は半身浴を。交感神経から副交感神経への切り替えがスムーズになり、睡眠の質を上げることができます。

朝にシャワーを浴びるときは、38度くらいのぬるめのお湯で体を慣らしてから、40度くらいの適温まで上げます。はじめから適温にしないのは、急激に交感神経が刺激されてしまうのを防ぐためです。そして、仕上げは温水と気持ちよく感じられる程度の冷水を3、4回交互に浴びて、最後は冷水でフィニッシュ。これで頭も体もシャキッとします。

元気で長生きする効果も

千葉大学の研究によれば、高齢者のうち、毎日入浴する人は、週に0~2回の人に比べて、要介護認定になるリスクが約3割も少ないというデータが出ています。

よく入浴する人は血流がよくなり、心臓や血管が良好な状態を保てるのです。元気で長生きできる効果も期待できるため、ぜひ習慣づけを。

※高血圧の方、心臓等に持病のある方、体調の悪い方は避けましょう。

夜はぬるめのお湯に15分間ゆっくりと浸かろう
入浴の目安は、39~40度のぬるめのお湯に15分。最初の5分は首まで浸かり、残りの10分は半身浴にして、ゆっくりと浸かると体の芯まで温まり、夜も熟睡できる。

◎ここに注意!
42度以上の熱いお湯は血管を収縮させ、交感神経を刺激しすぎてしまう。高温での長湯は脳卒中や心筋梗塞を引き起こすリスクも。