大型車両や特殊な重機の免許を取得

そのために、やるべきことは山ほどあった。まず、ランプ業務をこなすには、数々の資格や免許が必要だ。飛行機を牽引する大型車両、給水や汚水処理用の重機、荷物を運ぶトラクター。さらに、国内空港ではジェットスター・ジャパンだけが導入している特殊な車両もある。

後藤さんはとくに乗り物の操縦が得意だったわけではないが、入社後およそ6カ月で、これらの免許を10種類以上取得した。ほかの男性社員たちとほぼ同じペースで取得できたのは、仕事中に先輩の隣で動きを観察し、業務後も残って重機に乗ったからだ。そうした姿勢を見せることで、彼女は職場に受け入れられていった。

それから6年。今はリーディングハンドに昇格し、2人の男性部下を率いている彼女だが、「まだまだ、一人前とはいえませんよ」と謙虚に話す。

「今後、フライトの数が増えていくので、これまで以上に機転を利かせて業務をこなさないといけません。それに最近は異業種からの転職も多いんです。早く現場に慣れてもらうよう、短く的確に伝える力を身につけたいです」

撮影=冨田寿一郎