一方、ジュエリーの場合はどうだろう。担当の越中こずえさんはこう言いきる。「ジュエリーも時計同様、希少価値より王道のものが高く売れます。なかでも色石より、ダイヤモンドのほうがずっと人気も価値もあるんです。とくに、丸くて大きいものは汎用(はんよう)性が高く、人気も安定。一時的に流行したカッティングのものは、個性的なぶん、買い手もつきにくい。プラチナのように今はそれほど人気がなく値段が下がっているものでも、『将来高くなるかも』と見込んで思いきって投資する方もいますが、ジュエリーに関しては予測が難しいですね」
さらには、手離すタイミングもとても大切なんだとか。「『そのときに欲しい人がどのぐらいいるか』というのが、手持ちの宝飾品を現金に換えるべきか否かの最大のポイント! 時計も同様です」
時計との違いは箱や鑑定書などの付属品をすべて取っておくことが大切だという点。ちなみにリングなどに入れた刻印などは、すぐに消せるものなので査定には響かないのだそう。
宝飾品を投資目的で見ると、考え方は大きくふたつ。ひとつは、前述した“定番”で手堅く投資する方法。そしてもうひとつは、“安いうちに買っておいて、将来の値上がりに賭(か)ける”というもの。どちらにしても、時代の流れを読むという先見の明は絶対不可欠なようだ。
KOMEHYO 銀座店 アシスタントチーフ
時計担当。KOMEHYOに持ち込まれる時計の数は月平均2800本! 「投資のことだけを考えると、時計は断然メンズが狙い目です」
越中こずえ(こしなか・こずえ)
KOMEHYO 銀座店 チーフ
ジュエリー担当。「今、投資目線で自分が買うならハリー・ウィンストンかヴァン クリーフ&アーペルのダイヤモンドジュエリーですね」
写真=iStock.com