これまではファッション性や機能美で選んできた時計とジュエリーも、投資目線で見ると「今買うべきもの」が違う角度で見えてくる! 先読みのコツを2人のプロが指南!

日本最大級のリユースショップKOMEHYO。常に膨大な数の売買が行われており、各商材ごとのKOMEHYO鑑定士の目利き力は他に類を見ないほど。そんなプロたちが教える、「10年後も価値のある時計&ジュエリー」とは?

(左)KOMEHYO 銀座店 アシスタントチーフ 中野真里江さん、(右)KOMEHYO 銀座店 チーフ 越中こずえさん

「時計を財産のひとつとして考えるなら、“世界で○本”とか“日本限定”など、いわゆるレアものよりも、定番人気で誰もが知っているモデルに注目するといいですね」。そう語るのは、時計担当の中野真里江さん。より高値で換金したいと思うならば、それを欲しがる人が多ければ多いほど有利になる。つまりは、市場で需要があるかどうかが投資につながる大きなポイントのようだ。

ところで、今より数年先のほうが値が上がるモデルはあるのだろうか。「買った時点より値段が高くなる可能性があるのは、在庫が少なく、ブティックに並ぶ機会があまりないもの。ロレックスのスポーツラインなどがいい例です」。……投資初心者には少々勇気が必要かも……。

では、すでに普段使いをしている時計を少しでも高く換金するには、どこに気をつければいいのか。「箱は代わりがききますので、なくてもかまいません。ただし、購入時にベルトを詰めた場合は、外したコマを必ず保管しておくこと! 使う人のサイズが限られると、需要も価値も下がってしまいます」

一方、ジュエリーの場合はどうだろう。担当の越中こずえさんはこう言いきる。「ジュエリーも時計同様、希少価値より王道のものが高く売れます。なかでも色石より、ダイヤモンドのほうがずっと人気も価値もあるんです。とくに、丸くて大きいものは汎用(はんよう)性が高く、人気も安定。一時的に流行したカッティングのものは、個性的なぶん、買い手もつきにくい。プラチナのように今はそれほど人気がなく値段が下がっているものでも、『将来高くなるかも』と見込んで思いきって投資する方もいますが、ジュエリーに関しては予測が難しいですね」

写真=iStock.com/Berkut_34

さらには、手離すタイミングもとても大切なんだとか。「『そのときに欲しい人がどのぐらいいるか』というのが、手持ちの宝飾品を現金に換えるべきか否かの最大のポイント! 時計も同様です」

時計との違いは箱や鑑定書などの付属品をすべて取っておくことが大切だという点。ちなみにリングなどに入れた刻印などは、すぐに消せるものなので査定には響かないのだそう。

宝飾品を投資目的で見ると、考え方は大きくふたつ。ひとつは、前述した“定番”で手堅く投資する方法。そしてもうひとつは、“安いうちに買っておいて、将来の値上がりに賭(か)ける”というもの。どちらにしても、時代の流れを読むという先見の明は絶対不可欠なようだ。

中野真里江(なかの・まりえ)
KOMEHYO 銀座店 アシスタントチーフ
時計担当。KOMEHYOに持ち込まれる時計の数は月平均2800本! 「投資のことだけを考えると、時計は断然メンズが狙い目です」
 

越中こずえ(こしなか・こずえ)
KOMEHYO 銀座店 チーフ
ジュエリー担当。「今、投資目線で自分が買うならハリー・ウィンストンかヴァン クリーフ&アーペルのダイヤモンドジュエリーですね」