指標とデータを分析すると、日本が大転換期を迎えていることが明らかに! 10年後に豊かな暮らしを手に入れるために、いま何をすべきか経済予測のプロが解説。

未来を知ることは仕事、資産形成に役立つ

私たちの生活は、世の中の動きに大きな影響を受けます。とくに経済の動きは、見逃せません。人生に必要なお金を確保して豊かに暮らすには、近未来を予測して行動することが大切。リンジーアドバイスの渡辺林治さんは、経済アナリストとしての経験を活かし、30年かけて未来を予測するモデルを開発しました。為替レートや株価指数、金融危機についてのデータと歴史分析による予測です。実際に予測は上場企業40社以上で活用されています。

「日本は大きな転換点を迎えていることが明らかになりました。2019年は景気が悪化するものの、21年以降にバブルが発生する可能性が考えられます」

加えて24~26年にはバブルが崩壊しうることも指摘。これから10年をどう過ごすかで仕事面にも資産面にも大きな差が出そうです。いまこそ先行きを見通して行動すべき時期なのです。

予測の詳細は後述しますが、ここでは、未来を予測して行動するには、何を知っておけばいいのか、ポイントを解説します。

まず、世の中は政策→金融市場→実体経済というサイクルで動いています。政策とは政府が打ち出す金融政策や財政政策のこと。金融政策では、金利を変動させたり、世の中に出回るお金の量を調整したりします。財政政策では関税を引き上げたり、災害が起これば復興のための支援策を打ち出したりします。この政策が金融市場に波及するのです。

金融市場には、株式市場、債券市場、為替市場、商品市場がありますが、投資家の売買によって相場が変動します。日本の株式市場の売買は外国人が多く約7割を占めるほど。彼らが注目しているのは政策です。政策が実体経済にどう影響するかを先読みして投資家は売買するので、政策の次に金融市場が動きます。そして最後に政策の効果が実体経済=景気に表れてきます。

「たとえば14年4月に消費税率が5%から8%に引き上げられ、株価と消費が落ち込みました。そこで安倍政権は3.5兆円の緊急経済対策を行います。株価が上昇し景気は安定を取り戻しました」

このように政策が金融市場、実体経済の順に影響を及ぼし、さらに実体経済を見ながら政府はあらたな政策を打ち出す、というサイクルになっているのです。まずはこの仕組みを理解しましょう。