外の活動というのは、会社をともに運営している仲間が中心になって行っている移動式映画館“シネマキャラバン”のこと。浜辺や丘の上、廃虚など、さまざまな土地に赴いて野外上映を行う活動だというから、想像するだけでわくわくしてくる。長島さんは言う。

「シネマアミーゴはあくまでも拠点。旅好きの僕らは、根なし草にならないよう、“拠点を持った旅人”をコンセプトに活動を続けているんです」

今ではオランダやスペインなど、海外でも上映活動を行うようになった。それができるのも根となる拠点があるからこそ。シネマアミーゴはカルチャーの発信基地として、日々、淡々と映画を上映し続けているのだ。

ここで見られるのは、シネコンでは上映されないようなドキュメンタリーや、日常を描いたほのぼのとした作品が多い。

「そのような、感情が揺さぶられる映画は、小さな空間で見るほうが胸に迫ります。アコースティックギター1本のライブは距離の近い場所で聴くほうが感じ入りやすいでしょう。それと同じかな」

オーナーの思いがこもった海辺のシネマカフェは、ゆったりと時間の流れる場所。仕事のことも雑事も忘れて、非日常のひとときをかみしめられるだろう。

1.古民家をリノベーションした、別荘のようなたたずまい。


2.ワンドリンク付きで映画が楽しめる。コーヒーのほか、逗子のクラフトビール“ヨロッコビール”もある。
3.基本的には新作を上映。半数はドキュメンタリー作品。
4.味のある手書きの黒板。
5.「映画は僕の人生に違う視点を与えてくれた」と話す、オーナーの長島源さん。
6.毎年GWに逗子海岸で行われる「逗子海岸映画祭」では、浜辺に巨大なスクリーンを設置。夜空の下で海風を感じながら映画を楽しめる。

撮影=平松唯加子