女性の体と心にのしかかる重圧は、ほぼ全年齢にわたり途切れることがない。

※日本産科婦人科学会HP「女性の月経周期やライフステージに関する病気」および野田順子先生への取材をもとに作成

「心の不調に早めに気づいて、僕のところに診察を受けにくるのは、年代を問わず女性のほうが多いですね」と話すのは、お悩み相談のブログが大人気のTomy先生。

「でも、気分が落ち込む“うつ状態”だからといって、うつ病とは限りません。患者さんにとって何がストレスの元なのか、明確にわかっている場合は、“適応障害”といって、うつ病とは別の疾患ということもあります。職場では気持ちが沈んでも、プライベートでは元気に活動できている状態ですね」

適応障害は、ストレス源を取り除くことが治療の早道。苦手な上司が配置転換になったり、席が離れることで解決することもあるという。

「ちなみに男性は、同僚から『病院に行ったら?』と指摘されてやっと受診するので、すでに重症になっていることも多いですね」とTomy先生。

精神科や心療内科に行くことに抵抗があって踏み出せずにいる、というわけではなく、自身の不調にまったく気づいていない人もいるという。

「精神疾患は、気の持ちようでどうにかなるものではなく、脳の機能障害と考えられています。うつ病は、脳を使いすぎてフリーズした状態。自分を客観視できなくなっている場合もあるので、治療を受けるきっかけを、身近な人がつくっていくことも大切です」