育児との両立に悩み、辞めることも考えた

結婚して2年目、35歳のときに産休・育休を1年2カ月取得したが、2017年4月に復帰。現在は車両単独事故に対応するチームで、15人の事案担当者と技術アジャスターをつなぐ仕事をしているが、「子どもが生まれてからは、息つく暇もなくて、毎日が戦争みたいです」と苦笑する。復職したばかりの頃は、子どもがひんぱんに熱を出して、月10日も休んだり早退したこともあったという。

Essential Item●損害車両を撮影するデジカメ(左)と、決済用のはんこ(中)。水は2リットルボトル(右)をラッパ飲みしている。

「当時は肩身が狭すぎて、右肩と左肩がくっつくんじゃないかと思うほどでした。同僚に助けられるばかりで、このまま退職したほうがいいのではと悩みましたよ」

だが1年が経った今は、「やっぱりあのとき辞めなくてよかった」とつくづく思う。

「優先順位と段取りを意識して、時間をなんとか効率的に使えるようになってきましたから」

そう語ったとき、川崎さんはひときわ明るくほほ笑んだ。その表情からは彼女が今、充実した日々を送っていることが、確かに伝わってくるようだった。

▼川崎さんの1日のスケジュール
(6:30~7:50)起床。子どもの朝食と出勤の準備、家事、子どもの登園準備
(8:45)出社
(9:00)始業。メールと新規事案のチェック、工場担当者との打ち合わせなど
(12:30)昼食
(13:30~17:00)現場確認、社内打ち合わせなど
(17:30~18:00)退社。保育園へお迎え、スーパーで買い物
(19:30)帰宅。夕食の準備
(20:00)入浴
(20:30)子どもの寝かしつけ、家事
(22:30~23:30)ドラマ観賞(「相棒」シリーズの大ファン)
(24:00)就寝

撮影=伊藤菜々子