※写真はイメージです(写真=iStock.com/jamesteohart pasoon)

ほかにもある、こんな副業

上記の2つタイプとは違い、個人事業主として仕事をする方法もある。アクセサリー、服、ぬいぐるみ、インテリア小物などを自分でつくって販売する、いわば趣味を生かしたグッズ販売だ。写真の撮影料、自分が撮影した写真や描いたイラストの販売、モノを仕入れて転売する方法もあるだろう。

ほかには、企業がインターネット上で不特定多数の人に仕事を外注するクラウドソーシングと呼ばれる仕組みを使い、データ入力、記事作成(コラム、ブログ)、音声の文字起こし、映画レビューなどの仕事を紹介してもらい、納品すると報酬を受け取る方法もある。クラウドソーシングには大勢の人たちが登録するので受注料金が安くなりやすく、紹介手数料を登録先に支払うため手取り金額はさらに減ることになる。

クラウドソーシングでは、システム開発、アプリ開発、サイト制作、動画・音楽系コンテンツ制作、イラスト制作、翻訳といった専門性の高い仕事を斡旋するところもあるが、未経験者では精度に不安が残る上に、安価でも手を挙げる人が多いので、仕事の単価は自ずと低くなる。

サラリーパーソンには、2種類いる

さて、官公庁や大企業に働くビジネスパーソンは、一定の年数を経るとジョブローテーションによる異動を余儀なくされる。この仕組みは、誰もが管理職に就くことを目指していた時代の名残で、ゼネラリストとしては必要なジョブキャリアだった。この制度では、仕事の内容を理解して仕事ができるようになると異動させられるため、特定の分野に長けたプロフェッショナルが育たない。

その一方、プロと呼ばれる人たちは、自分の適性を生かした職務に留まり、専門性を磨いていく。ジョブローテーションのない中小企業で長年同じ部門に勤務する人や、大企業なら総務や人事、経理、財務、経営企画、広報、デザイン、商品企画、マーケティング、ネットを中心としたコミュニケーションなどの分野で専門性を磨いてきた人たちが該当する。

専門性があっても、稼げない人

日本のビジネスパーソンは専門性を持たないゼネラリストが多く、条件のよい副業に従事できない人が多い上に、自力で仕事先を見つけられないため副業が見つからない。就職や転職する際に、就職情報メディアや転職サイトなどに依存してきた経緯があり、仕事を依頼してくれる企業や組織を自力で見つける手立てを知らずにいる。

仕事が見つけられないのは、専門性がないからだと思い込み、資格取得に時間とお金を投資する人がいる。めでたく資格を取得しても、それで依頼主が殺到するほど世の中は甘くない。難関の国家資格が必要な専門家として、弁護士、公認会計士、税理士、中小企業診断士、歯科医師などがあるが、クライアント(顧客)を開拓する営業力を備えていない専門家は経済的に非常に厳しいのが現実だ。

この傾向は資格取得に限らず、退職してラーメン店や蕎麦店などの飲食店を開業したものの顧客が増えず、廃業の憂き目を見る人とも共通している。ラーメンや蕎麦のつくり方を学んでも、顧客をつくる取り組みは眼中にない点だ。