manner 5
装いで、敬意を表現する
相手国の国旗の色を、服装に取り入れても
服装は、パブリックウエアとプライベートウエアとに大別される。パブリックウエアは目的にかなう装いであることからドレスコード(服装規定)を厳守することが求められる。もちろん、ビジネスウエアもその1つで、肌を隠す部分が多いほど格上の装いとなる。そして、男女ともにジャケットを着用することが敬意表現であるという基本を覚えておこう。
日本ではクールビズの習慣があるが、ワイシャツはもともと下着なので、取引先への訪問や来客の際にはジャケットを着用する。ハワイなどの常夏の地域ではアロハシャツが公用着として公認されており、ゲストも襟のあるシャツを着用することが正式だ。
いずれも、身だしなみを整え、清潔感があることが世界共通のマナー。装いに自国の伝統文化を品よく取り入れることや、相手国の国旗や国花の、色やデザインを用いた装いで、敬意や友好を表す服装術も心得ておきたい。
manner 6
会食やパーティーに招かれたら、具体的な感謝を伝える
具体的な言葉が心に響く。食事のマナーにも十分な配慮を
ビジネスランチやパーティーに招かれたときにはテーブルマナーだけでなく、周囲に不快な思いをさせない配慮も必要となる。一般的に、ナイフやフォークの刃先を相手に向けることは、敵意を向ける意味を含むため、相手の気分を害してしまうことも。皿にナイフを置くときには、刃先を自分側に向けること。
招待を受けたパーティーの帰り際に、主催者にお礼を伝える際には「料理だけを褒める」のは良くないとされている。それしか良いところがなかったのかと落胆させてしまうためだ。必ず、演出や楽しい会話、素敵なゲストとの出会いなど、主催者の心配りに対する感謝の気持ちも具体的に言葉に出して伝えよう。日頃から、感謝の気持ちを表現豊かに伝えられるよう、言葉のセンスを磨いておきたい。
manner 7
贈り物は、先方の文化的背景に配慮して
高価な贈り物は、賄賂と受け取られる可能性も
海外でのビジネスで贈り物を考える場合には、まず取引先の贈答慣習を確認することが必要だ。特に取引前の贈答は賄賂だと思われることがある。コンプライアンスの問題から、組織のルールとして授受を禁じている企業もある。贈答をしてよい場合でも、受け取った人に気持ちの負担をかけてしまう高価な贈答品などは避けよう。
前もって先方の好みや宗教上のタブーを調べることは必須。アルコールを禁じられている人には、酒類はもちろん、アルコールが入った菓子や香水も避けなければいけない。一方、茶道を好む人なら、日本の懐紙や干菓子などは季節感もあり話題も広がりやすく、負担にもならない。花を贈る場合には花にまつわる意味を調べよう。国によっても花言葉が異なるので注意が必要だ。